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【スポーツ】

大阪桐蔭、春夏連覇 初の2度目 最強の証明

金足農を破り、2度目の春夏連覇を果たし喜ぶ根尾(左)ら大阪桐蔭ナイン=甲子園球場で

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◇全国高校野球選手権 大阪桐蔭13−2金足農

 第100回全国高校野球選手権大会最終日は21日、甲子園球場で決勝が行われ、大阪桐蔭(北大阪)が東北勢初の優勝を狙った金足農(秋田)に13−2で大勝して4年ぶり5度目の優勝を果たし、2012年以来、史上初の2度目の春夏連覇を達成した。春夏連覇は史上8度目(7校目)。

 大阪桐蔭は一回に石川の2点二塁打などで3点を先制。四回は宮崎の3点本塁打、五回には根尾の2点本塁打などで6点を加えた。柿木は5安打で完投した。西谷監督は春夏の甲子園大会で単独最多となる通算7度目の優勝を飾った。

 秋田県勢では103年ぶりの決勝に臨んだ金足農は、準決勝までの5試合に完投していた吉田が5回12失点で降板した。

 打力で上回る大阪桐蔭が15安打13得点と打ち勝った。一回は2死満塁から暴投で先制した後、石川の二塁打で2点を加えた。3−1の四回は宮崎が左越えに3点本塁打。根尾が中越えに2点本塁打を放った五回は計7長短打を集めて一挙6得点と突き放した。

 援護を受けた柿木は力みのない投球で直球、変化球を散らして散発の5安打、2点に抑え、準決勝に続いて完投した。

 金足農のエース吉田は、準決勝までの5試合を1人で投げ抜いた疲労を隠せなかった。速球は本来の伸びを欠き、変化球を低めに集めることにも苦心した。2本塁打はともに速球を捉えられ、被安打12の12失点、132球で五回限りで降板した。驚異的な粘りを見せてきた打線は二回の好機をつぶすなどして流れを引き寄せられなかった。

◆「1点」執念失わず

 相手が大会屈指の右腕でも、どこからでも点が取れる。常に「次の1点」を求める。「メンバーは皆、人一倍勝ちに貪欲」と大阪桐蔭主将の中川。前人未到の2度目の春夏連覇の偉業を成し遂げた王者は、それにふさわしい技量と精神力を決勝で見せつけた。

 暴投で1点を先制した直後の一回2死二、三塁の好機。6番の石川はフルカウントから「追い込まれたら直球」と狙い通りに外角直球を右中間にはじき返す2点適時二塁打。3−1の四回は無死一、二塁で、柿木がスリーバント失敗。だが続く1番の宮崎が「犠打失敗は次の打者がカバーする」。甘く入った直球を振り抜き、左翼への3点本塁打で中押しし、相手にダメージを与えた。

 甲子園の観客席は、公立校の雄、金足農を後押しする。「スタンドの雰囲気もあるし、何があるか分からない」。宮崎の脳裏には昨夏の経験も刻まれていた。今年と同じく春夏連覇を狙い、3回戦で仙台育英(宮城)に逆転サヨナラ負け。一塁手だった中川がベースを踏み損なうミスが出て、勝利を目前に敗れた。

 だから、チームは常に「次の1点」という気持ちを持ち続けた。五回は打線が疲労が色濃い右腕に7長短打を浴びせて6点を奪い試合を決めた。それでも、11点差がついた六回に犠打を試みるなど、「1点」への執念は失わなかった。昨夏の敗北に加え、昨秋の明治神宮大会でも前評判とは裏腹に準決勝で散った。西谷監督は「もう一度自分たちを考え直すことができた」。選手たちも「チームのために」という気持ちでまとまった。

 中川は「悔しさを持って1年間やってきて、壁を乗り越えてきた」。重圧の中、春を制し、夏もものにした。「自分たちは挑戦者」。そう強調してきた指揮官は連覇を達成して言った。「今日最強のチームになった」 (唐沢裕亮)

◆「二刀流」根尾会心の一発

 直球に押され負けない豪快な当たりだった。6−1の五回無死一塁、大阪桐蔭の根尾がバックスクリーンにたたき込んだ2ラン。「甘い球をしっかり打てた」。今大会自身3本目となる会心の一発は相手を突き放し、2度目の春夏連覇をたぐり寄せた。四球を選んだ一回、一邪飛に倒れた三回とも直球で押された。大会屈指の右腕が力勝負を挑んできたので、パワーで応えた。迎えた五回の第3打席。2ストライクに追い込まれ、高めに来た140キロをたたいた。相手の中堅手は「こんな打球、見たことない」と驚嘆した。

 投打の「二刀流」として注目を集め、投手でも2試合に先発して勝利に貢献。決勝で完投した柿木が言う。「春の選抜では根尾が最後を投げたので、今度は自分がと思った」。4番藤原も「互いに高め合える関係だった」と振り返る。

 選抜優勝後に「次は夏の山のてっぺんを取りたい」と話していた通りの春夏連覇。「去年の夏に負けた忘れ物を取ることができた」と喜んだのもつかの間、すぐに表情を引き締めた。「基礎体力も技術もまだまだ。さらに上のレベルでプレーできるようにしたい」と誓った。 (平井良信)

 

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