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【スポーツ】

<ジャカルタ・アジア大会>井上、暑さ・湿気攻略V 男子マラソン「自家製」ウエア奏功

男子マラソンで、1位でゴールする井上大仁(左)=榎戸直紀撮影

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 男子マラソンで井上大仁(ひろと=MHPS)が2時間18分22秒で、この種目の日本勢として1986年の中山竹通(たけゆき)以来32年ぶりの優勝を飾った。園田隼(黒崎播磨)は2時間19分4秒で4位だった。

 先頭集団を25キロすぎから園田がリード。井上は37キロすぎにエルハサン・エルアバシ(バーレーン)とともに抜け出し、ゴール直前の競り合いを制した。 (共同)

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 ラスト100メートル勝負で競り勝った井上のウエアには、ひし形の穴がいくつも開いていた。しかも、同じ日本代表の園田より裾は短く、へそが見えている。風通しがよく、蒸れない「自家製」のウエアだ。「自分で(ひし形に)切りました。裾の縫い合わせはやってもらいましたけど」。日本男子として32年ぶりの優勝をもたらしたのは暑さへの準備と対応力だった。

 スタート時の気温は26度、湿度は82%。スローペースは想定内で、終盤勝負へと備えていた。給水では水、スペシャルドリンク、保冷剤の三点セットを用意。陣営は冷えすぎないように1キロ手前からクーラーボックスから取り出す周到さをみせた。井上はドリンクをゆっくり飲み、同時に手のひらも冷やす。「帽子は蒸れるから嫌」と話していたが、日差しが強くなった30キロからかぶり始めた。

 暑さ対策を実践する一方、「やっぱり(帽子は)暑い」とわずか5キロで外し、多くの選手が浴びたミストシャワーは通らなかった。「体を冷やすのはいいが、靴がぬれるのは嫌」と滑りやすくなり、ふやけてマメができることを警戒する対応力もみせつけた。

 37キロ付近からはエルアバシとの一騎打ち。何度仕掛けても振り切れない。「後半じわじわ疲れてきた」。しかし、それは相手も同じ。ゴール時の気温は30度。わずかながら余力を残す井上が鮮やかなラストスパートで振り切った。

 東京五輪を見据え、高温多湿のレースを希望し、出場した。「準備から何もかもがプラスになった。自信になりました。足りなかったことを今後探していきたい」。2年後へ光が差す快走。大きな経験と手応えをつかんだ金メダルだった。 (ジャカルタ・森合正範)

 

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