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【スポーツ】

稀勢の里、鬼門の序盤無敗 執念の上手投げで5連勝

稀勢の里(右)が上手投げで正代を下す=両国国技館で

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◇大相撲秋場所<5日目>

 進退を懸ける横綱稀勢の里は、反撃を許しながらも平幕正代を右上手投げで仕留めて5連勝とした。他の横綱陣も白鵬が小結貴景勝をはたき込み、鶴竜は千代大龍を寄り切ってともに全勝を守った。

 大関とりの関脇御嶽海はかど番の大関栃ノ心を寄り切って5戦全勝。栃ノ心は2敗目を喫した。大関高安は勢を送り出して5勝目、大関豪栄道は豊山の休場による不戦勝で4勝目を挙げた。

 勝ちっ放しは3横綱、高安、御嶽海に平幕の北勝富士と嘉風を加えた7人で変わらなかった。

 立ち合いで稀勢の里は左脇を固めて立った。けんか四つの正代に対し、右差しは防ぐ。土俵中央で相手の両腕を抱え、まわしだけは取らせなかった。

 「今日もポイントを押さえていた。勝負どころを押さえて、実行できていた」と八角理事長(元横綱北勝海)。揺さぶりながら左をのぞかせて差し手争いを制すと、すかさず右も上手を奪った。絶好の体勢になったが寄り切れず、逆に押し返されたものの、命綱の上手は決して離さない。最後はタイミング良く上手投げを放って転がした。初日から5日連続で大歓声を浴びながら、勝ち名乗りを受けた。

 進退の懸かる場所。8場所連続休場明け。安心できる材料がほとんどない中、鍵を握る序盤戦を土つかずで乗り切った。横綱相撲で勝ったのは初日だけ。理想の内容とはほど遠い。ただ長く続いた休場のうち、途中まで出場した4場所はいずれも5日目までに2〜4敗している。それを考えれば、結果が出ているだけ上出来。八角理事長も「これ以上、良い流れはないでしょう」と評価した。

 この日は横綱審議委員会(横審)の面々が国技館を訪れ、土俵を見守った。北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)はこの5日間を「すごく気持ちが伝わってくる。自分で自分を奮い立たせ、頑張っているのは伝わってくる」と振り返った。さらに「一つの山を越えたというか、障害をクリアしたという連勝ですね」とうなずいてみせた。

 疑心暗鬼だった周囲の評価が期待に変わりつつある中、当の横綱は支度部屋でこの日も言葉少な。連勝の感想を問われても「しっかり集中したい」。手応えを聞かれても「一日一番、しっかり集中したい」。口を突くのは初日から語っている同じせりふ。まだ心に余裕は生まれていない。 (禰宜田功)

 

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