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【スポーツ】

稀勢 なすすべなく 7連敗の玉鷲に完敗

稀勢の里(右)は押し出しで玉鷲に敗れる

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◇大相撲秋場所<8日目>

 進退を懸ける横綱稀勢の里は小結玉鷲に押し出されて2敗目を喫した。玉鷲は初白星。他の横綱陣は白鵬が再出場の平幕豊山を上手投げで下し、鶴竜は関脇逸ノ城を寄り切り、ともに全勝を守って勝ち越した。

 大関とりの関脇御嶽海は勢に押し出されて2敗目。大関高安が正代に引き落とされて初黒星を喫した。大関対決は豪栄道が栃ノ心を寄り切って7勝目を挙げた。かど番の栃ノ心は5勝3敗。

 勝ちっ放しは白鵬と鶴竜の2人となり、1敗で高安、豪栄道に平幕の北勝富士、竜電を加えた4人が追う展開となった。

      ◇

 目を閉じて真一文字に結ばれた稀勢の里の唇が動くことはなかった。馬力のある小結玉鷲の術中にはまったかのように何もできずに土俵下に転落。8日目にして2敗目を喫し、支度部屋で報道陣から「立ち合いに迷いがあったのか」などと問われても、今場所初めて何も答えることなく、国技館を後にした。

 一度目の立ち合いは絶好の反応だったように見えた。だが、呼吸が合わず不成立。仕切り直して立ったものの、より低い姿勢の玉鷲の圧力と右のど輪に上体を起こされ後退。さらに左腕を胸にあてがわれると、もう土俵を割るしかなかった。

 土俵下で見守った阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「待ったが大きかったかも分かりませんね」。師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は「当たりが全然良くない。踏み込んでいない」。力なく起き上がろうとする土俵下の横綱に観客からため息がそそがれた。

 神懸かり的な土俵際の逆転で悲鳴を歓声に変えてきた。ただ、ここまであっけない展開は今場所に入ってから初めて。玉鷲は、場所前の二所ノ関一門による連合稽古で圧倒していただけに、勝っておきたかった相手だった。

 鶴竜と白鵬の2横綱はもちろん、同じ部屋の大関高安を除く2大関ともまだ顔を合わせていない。今場所の内容を見れば2関脇との一番も一筋縄ではいかないのは明白。正念場はこれからだ。

 名古屋場所前に「秋場所にすべてをかける」と語った稀勢の里。進退の懸かる場所を6勝2敗で折り返すことになったが、6番勝った手応えが一気に吹き飛んでしまうようなこの日の完敗。風向きが変わってもおかしくはない。 (禰宜田功)

 

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