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【スポーツ】

稀勢、9場所ぶり勝ち越し 立ち合い4度目 動じず寄り切り

稀勢の里(右)が寄り切りで遠藤を下す

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◇大相撲秋場所<10日目>

 進退を懸ける横綱稀勢の里は平幕遠藤を寄り切り、昨年春場所以来の勝ち越しを決めた。横綱白鵬は関脇逸ノ城、横綱鶴竜は関脇御嶽海をともに寄り切って10連勝。御嶽海は3連敗で4敗目を喫し、場所後の大関昇進が厳しくなった。

 1敗同士の大関対決は高安が豪栄道をかいなひねりで下して9勝目。かど番の大関栃ノ心は平幕魁聖を寄り切って6勝目を挙げた。

 全勝の白鵬と鶴竜を1敗で高安、2敗で稀勢の里、豪栄道に平幕の貴ノ岩、竜電の4人が追う展開。十両は徳勝龍が3敗で単独トップに立った。

    ◇

 進退が懸かる試練の場所で、一つのヤマを越えた。稀勢の里が9場所ぶりの勝ち越し。過去4勝3敗と合口が良くはなかった平幕の遠藤に完勝し、取り口にも貫禄が戻ってきた。

 精神面での復活を象徴したのが立ち合い。出方をうかがいすぎたのか、稀勢の里が突っかけたりするなど互いの呼吸が合わず3度も不成立。嫌な空気になったが「集中して、しっかり相撲を取ろうと思った」。

 4度目。何を仕掛けるか分からない相撲巧者に対し、3度目に続いて右で張って機先を制すると、すぐさま左差し。右で抱えて十分の形にし、一気に寄り切った。審判として土俵下で見届けた師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は「(立ち合いが合わないと)いつもなら取り乱すが、落ち着いていた」と感心した。

 過ちを繰り返さなかった。8日目の玉鷲戦でも1度目で立てず。心を乱したのか、成立した2度目の立ち合いで馬力のある相手の圧力をもろに食らい、あっけなく土俵を割った。取組後は今場所初めて報道陣に何も答えないほど悔しさを隠さなかったが、その経験を無駄にしなかった。

 平幕相手に取りこぼさず、新横綱だった昨年春場所以来の勝ち越し。八角理事長(元横綱北勝海)も「よくやっている」。長期休場明けの横綱の復活へ、肯定的に評価している。

 初の大関戦だった9日目の栃ノ心戦に続き、力強い相撲を披露した点も好印象。ただ「横綱の勝ち越しは2桁勝利」とも言われるだけに、関脇以上の5人が控える残り5日で白星を積み重ねたいところだ。取組後の支度部屋で厳しい表情を崩さない姿勢に、終盤戦への覚悟と自信が漂っている。 (対比地貴浩)

 

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