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【スポーツ】

稀勢、何もできず 横綱で初の白鵬戦

稀勢の里(右)は寄り切りで白鵬に敗れる

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◇大相撲秋場所<13日目>

 横綱対決は単独トップの白鵬が稀勢の里を寄り切って13戦全勝とした。14日目に白鵬が大関豪栄道に勝てば、5場所ぶり41度目の優勝が決まる。稀勢の里は4敗目。

 横綱鶴竜は豪栄道に押し出されて3敗目を喫した。豪栄道は、平幕阿炎を突き出した大関高安と2人で2敗を守った。かど番大関の栃ノ心は正代にすくい投げで敗れて7勝6敗。関脇御嶽海は連敗を5で止めて7勝目を挙げた。

 十両は明生ら3人が4敗でトップに並んだ。

     ◇

 この一番で優勝が決まるわけではないにもかかわらず、割れんばかりの大歓声が湧き起こった。その注目の相撲、稀勢の里は横綱に昇進してからようやく実現した白鵬戦で何もできず、寄り切られた。格の違いを十二分に見せつけられた悔しさから、取組後は報道陣に無言を貫いた。

 白鵬の得意の右四つを警戒し、左を固めて当たった。左から張られたものの、白鵬の右差しをまずは食い止める。だが、これが精いっぱい。力強く寄られ、差し手争いにも負けてもろ差しを許すと一気に後退。土俵際での投げも悪あがきにしかならなかった。土俵下で見届けた藤島審判長(元大関武双山)は「稀勢の里は防戦一方」。支度部屋で付け人相手に何度も繰り返した白鵬対策は実らなかった。

 稀勢の里は横綱昇進前の前回対戦まで3連勝していた。2010年九州場所では史上2位の63連勝中だった白鵬に土をつけるなど、幾多の名勝負を繰り広げてきた。常に打倒白鵬の先頭に立ち、時に印象的な白星もつかんだが、一方で横綱昇進や賜杯獲得を阻まれてもきた。

 横綱に昇進した昨年春場所では、白鵬が途中休場。以降は自身が8場所連続で休場し、対戦機会がないままだった。これからは同じ横綱として再びしのぎを削り合っていくが、大関時代のように善戦するだけでは評価されない立場でもある。勝つためには左大胸筋を痛めて以降は鳴りを潜めた強烈な左おっつけで崩したり、左を差し勝つなど攻めの形を再び磨くのが急務。藤島審判長も「左を差せば流れはくる」と強調した。

 かつて稀勢の里は「一番強い横綱。あの人に勝たないと上を目指せない」と白鵬戦の意義を語った。綱を締める者として宿題を与えられた13日目。この敗戦を糧としたい。 (対比地貴浩)

 

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