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【スポーツ】

福浦2000安打 42歳9カ月 史上2番目年長

8回ロッテ無死、福浦が右越え二塁打を放ち、史上52人目の通算2000安打を達成=ZOZOマリンで

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 ロッテの福浦和也内野手(42)が22日、ZOZOマリンスタジアムで行われた西武24回戦の八回に小川から右越え二塁打を放ち、史上52人目の通算2000安打を達成した。42歳9カ月での到達は、2015年6月11日に42歳11カ月で達成した和田一浩(中日)に次ぐ史上2番目の年長達成。ロッテでは1968年の榎本喜八、85年の有藤道世に次いで3人目。

 福浦は97年7月5日のオリックス戦に先発してプロ初出場を果たすと四回にフレーザーから初安打をマーク。25年目の今季は残り38本からスタートして、開幕から82試合目の出場で到達した。

 福浦は01年に打率3割4分6厘で首位打者を獲得し、05年と10年にはチームの日本一に貢献。一塁手のゴールデングラブ賞に3度、ベストナインには指名打者で1度選ばれた。

◇西武5−3ロッテ

 西武が逆転で8連勝とし、両リーグ80勝一番乗り。2−3の九回2死一、二塁から山川の43号3ランで試合をひっくり返した。4番手の小川に2年ぶりの勝利が付き、九回はヒースが締めて10セーブ目。ロッテは逃げ切れず8連敗。

◆プロ25年目「ここまで来られるとは」

 八回、先頭でこの日の4打席目に入ったロッテの福浦は一層、集中力を研ぎ澄ました。「延長にならなかったら、これが今日最後の打席。ここで決めたい」。強い気持ちが乗り移ったように、ライナー性の打球が右翼手の右ではねると、球場は拍手と地鳴りのような大歓声に包まれた。

 西武の小川がカウント2−2から投じた7球目のスライダーを仕留めた。長打コースへ飛び、一気に二塁を陥れる。「無意識のうちにガッツポースが出てた。自分の気持ちがとっさに出たと思う」。節目の一打は通算388本目の二塁打。プロで同期の西武・松井から花束を受け取ると、ようやく笑みがはじけた。

 個人記録よりもチームの勝利を優先してきた福浦が今季、2000安打到達にこだわった。「ファン、チームメート、裏方さん。僕を後押ししてくれたみんなの打ってほしいという気持ちに応えたいと思った」。3万人超で埋まった地元・千葉での達成。「うれしい」と言葉に力を込めた。

 福浦は1993年のドラフト会議で、全体の最後に7位で指名された。「正直、ここまで来られるとは思わなかった」としみじみ語ったが、これで現役をゴールするわけではない。来季について「もちろんやるつもり。若手も教え、自分も良くなりたい。井口監督を胴上げしたい」 (牧田幸夫)

◆野手転向「幕張の安打製造機」

 福浦が「幕張の安打製造機」と呼ばれる転機となったのはプロ8年目の2001年だった。前年まで7年連続パ・リーグ首位打者のイチローがオリックスから米大リーグのマリナーズへ移籍。イチロー不在のバットマンレースを打率3割4分6厘で制した。

 バットを少し寝かせた構えからコンパクトに鋭くスイングする打撃フォームで安打を量産。「それまでは打ちたいという思いが力みにつながりフォームを崩した」。イチローやメジャーの大打者ケン・グリフィーらを参考にした打棒が開花すると、6年連続で打率3割以上をマークした。

 俊足とはいえない福浦は、内野安打を稼ぐタイプではない。卓越した技を支えたのは努力だった。春季キャンプでは遅くまで筋力トレーニングに汗を流した。「打球を詰まらせないため」「打球が野手の間を抜けるため」と、黙々とバーベルを持ち上げた。

 習志野高から投手としてドラフト7位で1994年に入団したが、すぐに野手へ転向。プロ1年目の夏、当時2軍打撃コーチの故・山本功児元監督から、同期で6位入団の小野晋吾・現2軍投手コーチとともに呼び出されて打撃を披露すると、快音を連発したことがきっかけとなった。

 小野氏は「(福浦は)簡単にスタンドに放り込んでいたし、芯に当てる技術もあった。山本さんは、打っている姿を見て(打者での成功を)確信したと思う」と述懐する。

 打者としてファームでしっかり鍛えられた福浦は、2軍監督だった山本氏に送り出されて97年に1軍に初めて昇格した。そして4年後には初の首位打者に輝き、1軍監督となっていた恩師を喜ばせた。

 一方、近年は慢性的な腰痛やけがの影響もあって出場試合数は11年を最後に100試合を切っている。16年に死去した山本氏は生前「福浦の打撃センスを持ってすれば、もうとっくに2000安打を達成していてもおかしくない」と語っていたという。

 プロ25年目で、やっと大台にたどり着いた。ドラフト最下位指名からはい上がっての2000安打。不屈の闘志で打ち立てた金字塔だ。 (唐沢裕亮、牧田幸夫)

 

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