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【スポーツ】

岩瀬、重ねた1000試合 積み上げた経験支え

9回表に1000試合登板を果たし、無失点に抑えてセーブを挙げた岩瀬=ナゴヤドームで

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◇中日4−3阪神

 中日の岩瀬仁紀投手(43)が28日、ナゴヤドームで行われた阪神戦で史上初の通算1000試合登板を果たし、407セーブ目を挙げた。今季限りでの引退を決めており、前人未到の領域に足を踏み入れてユニホームを脱ぐ。

 岩瀬は1点リードの九回に7番手で登板。先頭の糸原に死球を与えたが、大山を中飛。1999年に同期入団した福留を一ゴロに打ち取り、最後は糸井を遊ゴロに仕留めた。

 愛知県西尾市出身の岩瀬は、愛知・西尾東高から愛知大、NTT東海(当時)を経て、99年にドラフト2位で入団。1年目から15シーズン連続で50試合以上に登板するなど、中継ぎ、抑えで活躍してきた。5度のセーブ王に輝き、昨季、プロ野球の最多登板記録949を塗り替えた。

 左肘を痛めた2015年は初めて1軍登板がなく、16年も15試合にとどまったが、17年は50試合に登板し、カムバック賞を受賞。20年目の今季は不安定な救援陣の中で、開幕から唯一、2軍落ちすることなくブルペンを支えてきた。

    ◇

 最後のアウトを取った岩瀬にガッツポーズはなかった。帽子に手をやり、息をつく。「うれしいというよりも、本当にホッとした。無事に終われて良かった」。前人未到の1000試合目の登板でこれまた前人未到の407セーブ目。左腕に本拠地の大歓声と拍手が降り注いだ。

 用意されたマウンドは1点リードの九回だった。森監督が「勝ち試合で出したかった」と説明した粋な計らい。何百回と臨んできた場面でも「1点差で僕を出してくれたのは今年初めて。久しぶりに足が震えた。今日に限っては、記録をすごく意識した」。鳥肌が立つのも覚えた。

 それでも岩瀬は強かった。先頭の糸原を追い込みながら死球で出してからが真骨頂。「どうなってしまうんだろう」という不安を抑え込み「一人一人しっかり打ち取っていこう」と切り替える。けん制を1球挟み、大山には外角低めへの変化球。1球で中飛に仕留めた。

 「思うところがあった」という同期入団の福留との勝負は2球。外角へのスライダーで空振りを奪い、内角へのシュートでバットをへし折る。一ゴロで2死二塁。一打同点の場面で迎えた糸井には5球全てを低めに集めた。最後は外角のスライダーで遊ゴロ。死球を除き、1球も間違えなかった。

 26日に今季限りで現役を引退することが明らかになった。表明する前に報道が先行する不本意な形。耳をふさぐように「集中します」と言った。その姿勢は20年間、ずっと心掛けてきたことでもあった。「継続は力なりと言うけど、継続するためには無心にならないといけない」

 試合後のお立ち台では、思わず感極まった。何度も言葉に詰まる。左肘痛を乗り越えて到達した大記録。「まさかここまで来られるとは思わなかった」。目は涙でにじんでいた。 (高橋雅人)

 

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