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【望 〜都の空から】

変容(1)羽田空港 摩天楼か蜃気楼か

澄んだ冬の冷気の向こうに、この日は群馬・新潟県境の谷川岳周辺(左端)まで見渡せた=羽田空港上空で、本社ヘリ「わかづる」から(朝倉豊撮影)

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 「羽田」の語源にはいくつかの説がある。海上から望むと鳥が羽を広げた形に見えたという説、開墾された土地を意味する「墾田(はりた)」がなまったという説…。日本航空で現役最古参の機長、小林宏之さん(63)は1968年から、開墾地から舞い上がる鳥の目で東京の変ぼうを見続けてきた。

 当時、都心で目に入るのは、東京タワーと霞が関ビルぐらい。しかもぼやけていた。「快晴でも東京上空に入ると、どぶ川の中みたいに何も見えなくなった」。京浜工業地帯が経済発展を牽引(けんいん)した時代で、空はスモッグに覆われていた。

 やがて高度成長も終わり、空の透明度は増した。広がった視界のふもとに現れたのが、摩天楼。都心や湾岸部の開発で生まれた高層ビルの群れだ。それでもスモッグとともにある種の活力も失われたと、小林さんは言う。「摩天楼が蜃気楼(しんきろう)ではないかと感じることさえある」

 10月、羽田空港では発着能力が大幅に拡大するD滑走路の供用が始まる。新たな活力の源となるのか。開墾を重ねてきた羽田にとって最後の大事業とも位置付けられている。 (稲熊均)

 「望」の一字には「遠くから眺める」と「願う」の意が共存する。1年間、東京を空から見つめます。

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