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【望 〜都の空から】

変容(5)渋谷 流行刻む幻の川

地下に潜った2つの川の記憶をとどめ、いくつものY字路に沿って街並みが広がる=JR渋谷駅上空で(梅津忠之撮影)

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 縁や端などを意味する「エッジ」を、形容詞として使うことがある。「最先端の」「先鋭的な」などの意味合いだ。若者の集まる渋谷は“エッジ”な街であり、地形的にもエッジが多い街だ。

 明治通りと並行に流れる穏田川と、井ノ頭通りと並行に流れる宇田川。渋谷駅近くで合流する二つの川が、街にY字形の谷を刻み込んだ。1960年代、東京オリンピックを契機に下水道整備が進み、二つの川は暗渠(あんきょ)に潜る。起伏の多い街並みが、地上から消えた川の記憶を今もとどめる。

 流行発信地として台頭したのは70年代。東急の街だった渋谷に西武が進出し、両者の開発競争の中でパルコや東急ハンズ、109など“エッジ”な場所が生み出された。

 「渋谷は、西武が来て池袋や新宿に追いついた。坂が一つの味になった」。道玄坂の古書店主、山路茂さん(61)は振り返る。スペイン坂、オルガン坂…。にぎわいが増す坂道に、愛称が付けられた。

 駅周辺では、いくつもの大規模再開発が進む。「小さいけれど名物だった飲食店が次々、姿を消している」と山路さんは心配顔だ。個性は残るのか、消えるのか。街は今、その縁にあるのかもしれない。 (早川由紀美)

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