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【望 〜都の空から】

開花(1)上野公園 桜50歳 平和の証し

寒の戻りで桜も足踏み。300年以上の花見の歴史がある上野のお山がようやく春色に染まり始めた=東京都文京区上空で、本社ヘリ「おおづる」から(藤原進一撮影)

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 上野公園における花見の歴史は古い。徳川家の菩提寺(ぼだいじ)である寛永寺創建から73年後の1698年、一般庶民に境内の花見が開放され、翌年には茶屋の設置が許可された。

 現在、上野の山の約50種1000本の桜のうち約9割はソメイヨシノだ。ほとんどは戦後に植えられたものだという。

 「花見のメーンストリートとなる桜並木のソメイヨシノは東京オリンピックのあった1964年に植え替えられたものです」と日本花の会アドバイザーの西田尚道さん(71)は話す。西田さんは都の造園担当職員だった二十数年前、公園中央部の小松宮彰仁親王像の前にソメイヨシノより花が小ぶりで色の濃い桜があるのに気付いた。かわいらしい桜は89年、新品種「小松乙女」として登録され、上野公園に原木がある唯一の桜となった。

 桜並木のソメイヨシノは50歳すぎだ。一般に寿命60年という説があり、“老年”に差しかかっている。西田さんは「花見で騒ぐのもいいけど、根を踏んだりしないで」と老木を気づかう。

 戊辰戦争、関東大震災、太平洋戦争と、動乱のたびに上野の桜は壊滅的被害を受けてきた。オリンピックの年に植えられた桜が天寿をまっとうすることは、平和の証しでもある。 (中里宏)

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