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【望 〜都の空から】

開花(4)吉高の大桜 のんびりと300年

樹齢300年以上のヤマザクラが鎮座する印旛の風そよぐ里山=14日、千葉県印西市上空で、本社ヘリ「あさづる」から(淡路久喜撮影)

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 春の訪れと一緒に駆け足でぱっと咲いて、ぱっと散る。そんなソメイヨシノに比べると、ヤマザクラは随分のんびり、おっとりだ。千葉県の印旛沼の周囲に広がる田畑の中で、吉高の大桜は4月中旬、満開を迎えた。マイペースが長寿の秘訣(ひけつ)なのか、もう300年も生きている。

 その昔、氏神を祭るためこんもりと盛られた土の上に、祠(ほこら)が建てられ、かたわらに桜が植えられた。その小山に思う存分根を張った桜は、いまや高さ10メートル以上に。東西、南北25メートル前後の枝を伸ばす。さすがに近年、樹勢が衰え、地元の人たちが守る会をつくって肥料をやったり幹のコケを取ったりの世話を焼く。

 農業が機械化される前は、吉高の桜が咲く時期が、苗代を作るなど田んぼの作業を始める目安となったという。桜が有名になって観光名所となっても周囲は変わらず畑。隣に咲く菜の花は、畑と一緒に耕され、肥料となる。ナス、ピーマン、枝豆…。まもなく周りの土色が緑色に塗りつぶされる季節がやってくる。

 空から見ると、ピンク色の丸いボタンのようにも見える大きな桜。ゆったり、農村時間をこの地にとどめる役目も果たしている。(早川由紀美)

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