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【望 〜都の空から】

水辺(1)水元公園 緑鮮やか 都の水郷

東京と埼玉の都県境に広がる水元公園。都内でも貴重な水郷景観が残る=東京都葛飾区上空で、本社ヘリ「あさづる」から(梅津忠之撮影)

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 空から見ると、巨大な緑のタツノオトシゴ。約92ヘクタールの敷地面積は、東京23区内の都立公園で最大だ。「公園の中心から余計な建物が見えない。東京じゃないみたいでしょ」。公園サービスセンターの渡部敏夫管理係長(62)は、ちょっぴり誇らしげにその広さを語る。

 これからの季節には、アサザ、オニバスなど希少な水生植物が楽しめる都内唯一の水郷公園。ルーツは、徳川8代将軍吉宗の治世に幕府が設けた「小合溜(こあいだめ)」にある。地域を水害から守り、農業用水を供給してきたため池で、水元の地名のいわれ。公園は、小合溜に囲まれた田畑を造成、樹木を植え、1965年に開園した。

 小合溜は20年ほど前、水質が悪化、大量の魚が浮かんだ。都市化が進んで農地が減少、かんがい用の源水池としての役割を終えた小合溜に水が滞留、そこに生活排水が流入したのが原因だった。

 公園内には今、葛飾区の「水質浄化センター」がある。道路の下にパイプを埋め、約2キロ離れた中川から導水、きれいな水を小合溜に循環させて、人工的に水質を一定レベルに保っている。

 水を与える立場から、もらう立場へ。小合溜の百八十度の転換。釣り糸をのんびり垂れる太公望の姿だけ、江戸時代から変わらない。 (井上幸一)

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