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【望 〜都の空から】

等々力渓谷 守り継ぐ天然の涼

梅雨の季節を迎えて緑が深まる等々力渓谷。多摩川に注ぐ谷沢川の蛇行の名残が、都内とは思えない渓谷美をつくり出している=東京都世田谷区で、本社ヘリ「あさづる」から(中西祥子撮影)

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 環8通りをまたぐように「緑の帯」が細長く延びる。隙間なく埋まった住宅地の中にありながら、自然の景観を満喫できる等々力渓谷は、東京23区内に残る唯一の渓谷だ。

 東急大井町線等々力駅に近いゴルフ橋から谷に下りると、汗ばむ陽気が打って変わり、空気がひんやりしてくる。不動の滝が流れ落ち、低地に散在する湿地では清水が湧き出る。ケヤキやムクノキなどの木々がトンネルのように渓谷を覆い、谷沢川のせせらぎが響く。

 「渓谷の外より気温が2、3度は低い」と等々力渓谷保存会の高橋勝義副会長(73)は言う。地盤の強固な武蔵野台地の南に位置し、谷沢川と多摩川が合流する手前で渓谷が形成された。滝の上にある等々力不動尊は、平安時代、修験者の霊場とされてきたという。そんな歴史もあってか、近年はテレビなどでパワースポットとして紹介され注目を浴びている。東日本大震災の影響で節電が叫ばれる今夏は「天然の涼み場所で、さらに大勢の人が訪れるのでは」と見込んでいる。

 等々力一帯がまだ農村だった大正末期から、先人たちはこの自然の貴重さに気づき、市街地化の中で守り続けてきた。高橋さんらはそれを受け継ぎ、バトンを次代へ継承する。 (松村裕子)

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