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【望 〜都の空から】

多磨霊園 緑が包む先人の魂

日本初の公園墓地として造営され、緑に包まれる多磨霊園。彼岸を控えて秋風が抜け始めた=本社ヘリ「あさづる」から(小平哲章撮影)

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 「花ひらき はな香る 花こぼれ なほ薫る」。向田邦子さんが眠る墓石の脇にある、本の形をした石碑には、こんな言葉が刻まれている。向田さんと親交の深かった森繁久弥さんが贈った。

 多磨霊園は1923年、全国初の公園墓地として開園した。東京市(当時)の公園課長だった井下清氏が手掛けた。欧米諸国の墓地を研究し、設計に生かした。武蔵野を代表するアカマツなどの樹木に加え、約1600本ものサクラを植えた。花見の名所としても知られるようになった。

 都立霊園最大の128万平方メートルの敷地内には、約40万人が埋葬されている。軍人の山本五十六や東郷平八郎、作家では江戸川乱歩や三島由紀夫、夏目雅子さんや岸田今日子さんら俳優…。「太陽の塔」のような岡本太郎さんのお墓や、「人生の並木路」の歌碑のあるディック・ミネさんのお墓などは、ファンならずとも興味をそそられる。

 最近は、著名人の墓めぐりを趣味にする「墓マイラー」が増えた。府中観光協会ボランティアガイドの中山秀己さん(71)は「著名人の魂や足跡に触れ、みなさん感動されています」と話す。偉大な足跡を残した故人との対話ができる「聖地」の存在は、こんな混迷の時代だからこそ、かけがえのないものに感じる。 (高橋知子)

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