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【望 〜都の空から】

中野駅北口 平和な学園都市へ

大型のオフィスビルがオープンし、大学のキャンパス建設など再開発が進む中野駅北口=本社ヘリ「おおづる」から(沢田将人撮影)

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 小学生のころ、中野坂上の祖父母宅に集まった親族の前で叔父が言った。「中野駅前に戦前、スパイの学校があった」。えたいの知れなさが子ども心に刻まれた。陸軍中野学校のことだ。

 前身の軍事施設に軍用伝書バトを納めていた小鳥店の3代目長谷部喜好さん(82)は、戦時中に奇妙な体験をした。某日、中国人のなりをした男性が「かくまってくれ」と家に駆け込んできた。半日後には制服姿の2人組が訪れ、知らないと言い続けても押し入れに隠れる男性を見つけ出し、連れ帰った。訓練だったのか、それとも…。

 戦後は警察大学校へと姿を変えた。それが2001年に府中市へ移転したことで、大規模再開発が始まった。来春はキリングループ本社が移ってくるほか、明治大と帝京平成大の新校舎がオープン。早稲田大も14年春に外国人らの学生寮を整備する。2万人の昼間人口の増加が見込まれる。

 さかのぼれば、徳川5代将軍・綱吉の時代、生類憐(あわれ)みの令で江戸中の野犬を集めた「犬屋敷」のあった場所でもある。街の変貌は目まぐるしい。さらに、将来的な再整備構想がある中野サンプラザの上空を見上げれば、愛好家が趣味で飛ばす伝書バトが大群で舞っていた。今は平和の象徴として。 (末松茂永)

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東京新聞フォトサービス

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