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【望 〜都の空から】

代々木公園  五輪がまいた森の種

雪化粧した代々木公園と東京五輪ゆかりの施設群。右手に国立競技場が見える=本社ヘリ「おおづる」から(河口貞史撮影)

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 都会の喧騒(けんそう)がうそのような静寂を進むと、雪が残る石畳の先にエメラルドグリーンの縁取りが映える小さな白い洋館が見えた。

 一帯は1964年東京五輪の選手村だった。オランダ選手団が宿舎とした洋館は、その記念碑。参加各国の関係者が母国から持ち寄った種から育った樹木園が、建物の裏にある。その数、13種・51本。イタリアのニセアカシアが、半世紀近い歳月の経過を示すシンボルとして冬空高く伸びる。「大雪で落ちた枝の片付けは大変でしたが、芝生で過ごす親子の笑顔にほっとしました」。公園サービスセンターの渡部厚管理係長(59)は語る。

 厳冬だった1月は、隣接する国立代々木競技場が冬季国体のフィギュア会場となり、来年のソチ五輪を目指す一流選手が熱戦を繰り広げた。ここは、東京五輪水泳会場のプールとして建てられた。明治時代の陸軍練兵場から敗戦後の進駐軍住宅「ワシントンハイツ」、そして五輪施設の集積地へ。67年にいまの公園となるまでの目まぐるしい土地の変遷は、日本の近現代史をも映し出す。

 2020年東京五輪招致が実現すれば、代々木競技場はハンドボール会場となる計画だ。新しい時代の五輪は、今は静かな代々木の森に再びの変容をもたらすのだろうか。 (安藤恭子)

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