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【望 〜都の空から】

虎ノ門 マッカーサーの記憶

建設中の「虎ノ門ヒルズ」が全容を現した虎ノ門=本社ヘリ「あさづる」から(坂本亜由理撮影)

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 明治から昭和にかけ、虎ノ門や新橋にはテーブルや椅子をつくる家具工場が集まっていた。「芝家具」と呼ばれ、高級ブランドだった。

 「この辺りは進取の気風に富んでいたわけです」。父の代からオーダーメードの洋服を作る石井邦博さん(69)は振り返る。終戦翌年の1946年、越してきた。焼け跡には平屋が立ち並び、夏は隅田川の花火まで見えた。そこに巨大道路の建設が計画された。いつしか住民から「マッカーサー道路」と呼ばれた。米国大使館の近くを通るから、といわれるが、貧しかった時代だ。大国の豊かさへの憧れも重ねたのかもしれない。

 用地買収は進まなかった。なじんだ土地を離れたくない住民が多かったからだ。幻の道路、誰もがそう思っていた89年、道路上空に建物を造れる新制度ができた。超高層ビルを建て土地を手放した住民の移転先とするアイデアが浮上した。これがいま、威容を現し始めた「虎ノ門ヒルズ」だ。完成すれば地上52階建て、高さ247メートルとなる。

 ヒルズの足元を貫通し新橋方面と結ぶ道路は来年3月末に開通する。愛称に決まったのは「新虎通り」。近未来的な風景とはギャップのあるレトロな響きが、焼け跡から始まった長い歴史を思い起こさせてくれる。 (中山岳)

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