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【望 〜都の空から】

富士山 美観 次の世代に

晴れ渡った大都会東京のかなたに顔を出す富士山=本社ヘリ「おおづる」から(嶋邦夫撮影)

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 「あの人は富士山みたいだ」。褒め言葉ではない。遠い関係だったときは人格者と思っていたのに近づいてみると嫌な人だった、という意味。ごみだらけの富士山からたとえ話が生まれた。

 だから、富士山の世界文化遺産登録は喜んでばかりはいられない。当初目標にしていた自然遺産登録をごみ問題で断念したいきさつもある。

 富士山の登録から3カ月後、東京五輪開催が決まった。メーン会場の神宮外苑は大正時代、「公園行政の祖」折下吉延(おりしもよしのぶ)が欧州にならった「緑のオープンスペース」として設計した。だが、理想は踏みにじられていく。戦後、緑地は次々破壊されスポーツ施設が密集。「100年の美観」は、いまやイチョウ並木くらいにしか残されていない。

 国立競技場周辺が五輪までに大改造される。さらに緑を破壊するのか。それとも、土地の原点を見つめ直し理想の景観を少しでも回復するのか。折下の孫で人形劇俳優の日下永(くさかえい)さん(53)は言う。「人々に愛されてきた緑の中の競技場という原点を崩さず、次の世代に託してほしい」。富士山みたい、と言われぬように。 (横井武昭)

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