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【望 〜都の空から】

三渓園と周辺 緑の先 日本の歩み

住宅街と、東京湾に面した石油施設に囲まれた三渓園=本社ヘリ「あさづる」から(安江実撮影)

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 広々とした池の縁を歩き、うっそうとした茂みが迫る坂を上る。木々や湿った土から漂うにおいが心地よい。見慣れない模様のチョウも舞う。

 横浜市・本牧(ほんもく)の三渓(さんけい)園は製糸と生糸貿易で財を成した原三渓が1906年に開いた17万5000平方メートルの庭園だ。横浜中華街からバスで20分ほどで、自然豊かな静けさに浸れる。園内には、室町時代の1457年に建てられた旧燈明寺三重塔など国重要文化財が10棟ある。明治維新後、建造物の荒廃を惜しんだ原が京都や鎌倉から移築したものが多い。誰でも入れるようにと、当時は入園無料だった。

 息を弾ませて海側の展望台にたどりつくと、景色は一変する。高速道路の向こうに幾本も並ぶ煙突にタンク、クレーン。「来園者から『急に現実に引き戻される』と言われます」と三渓園保勝会の吉川利一(よしかわとしかず)事業課長(50)は明かす。

 かつて一帯は漁村で、海辺は海水浴場だった。昭和40年代からの埋め立てで工場地帯になった。内陸側には、戦後の米軍による接収を経て開発された住宅地も広がる。日本の歩みを学ぶ手掛かりが風景にちりばめられている。(梅野光春)

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