東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 栃木 > 記事一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【栃木】

県内スキー場の来客急減 暖冬で開場遅れ、バス事故も影響

平日のハンターマウンテン塩原のゲレンデ。例年より来客数が伸び悩んでいる=2月23日、那須塩原市で

写真

 那須塩原市、日光市、那須町にある県内五つのスキー場の来客数が、いずれも前年度より大きく落ち込んでいる。記録的暖冬でオープンが遅れたほか、長野県軽井沢町で15人が死亡したスキーバス転落事故の影響があり、バスツアーの来客も減った。危機感を抱いた5スキー場のうち4カ所が常設の「県スキー場運営協議会」を1月に設立。県に対策を求める要望書を提出した。(藤原哲也)

 二月下旬の平日。県内で最も来客数の多いハンターマウンテン塩原(那須塩原市湯本塩原)では、スノーボードを楽しむ大学生などが目立った。しかし、一九八七年の開場以来、毎年通う宇都宮市の無職野本文之さん(73)の目には「リフト待ちはほとんどないし、食堂の席も空いている。今年は特に少ない」と映る。

 友人四人とツアーバスで来た千葉市の大学生荒翔太さん(22)は「誘ったらバスを怖がる友人もいた。避けたい気持ちは分かるが、バス以外は高いので、使わないと行けなくなってしまう」と悩ましく語った。

 協議会によると、県内のスキー客は二〇〇三年の九十一万人をピークに年々減少。東日本大震災後の一二年には五十三万人まで減った。東京電力福島第一原発事故の影響で回復に時間がかかったが、昨年は五十七万人まで回復していた。

 ところが、今シーズンはこのままだと四十一万人台まで落ち込む推計。暖冬で「県内は小雪」のイメージが固定化したことや、二月中旬の大雨で積雪量が激減し、那須温泉ファミリースキー場(那須町湯本)では現在営業休止になっていることなども追い打ちを掛けたという。

 事務局を務めるハンターマウンテン塩原の中條(なかじょう)健一支配人(41)は「二、三月分は例年の見込み客数を足した数字で、実際はこれ以上落ち込む可能性がある」と指摘。経済効果に置き換えると、雇用喪失や近隣商店への影響を含めて約二十億円の損失が見込まれる。

 県への要望書で求めたのは六項目。県内外の学校が行うスキー教室の誘致強化、県道路公社が管理する日光宇都宮道路・日塩もみじラインの無料キャンペーン実施、ツアーバス事業者・旅行業者への補助金制度創設などを要請した。

 スキー場の多くは三月末までの営業を予定。中條支配人は「今後も落ち込みが続けば事業継続も難しくなる。厳しい状況を県に理解してもらいつつ、協議会としては今回を出発点として、各スキー場で連携して集客の取り組みを広げたい」と話している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報