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【栃木】

自分たちに何ができるか 宇都宮大生ら関東・東北水害の被災地巡る

関東・東北水害で被災した米山さん(右)の話を聞く学生ら=鹿沼市で

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 2015年9月の関東・東北水害で被害が大きかった現場を歩き、被災者支援について考える研修会が鹿沼市で開かれた。宇都宮大の学生ら約20人が参加し、当時の被災者やボランティアのコーディネート役を務めた市社会福祉協議会職員らの話に耳を傾け、「自分たちに何ができるか」に考えを巡らせた。 (吉岡潤)

 市によると、市内では死者と重傷者が各一人、建物の全壊十八棟(うち住家十棟)、床上・床下浸水が計千二百三十三棟(同千百十三棟)などの被害が生じた。市災害ボランティアセンターが同九月十日から十一月末まで開設され、被災者支援のボランティアとして約六千五百人が参加した。

 今回の研修会は宇都宮大の地域連携・貢献活動事業の一つで、市社協などの協力を得て、学生たちが内容を企画した。研修会の前に被災者や市社協、市から聞き取った当時の状況や課題などを発表。続いて、今なお被災の爪痕が残る現場へ足を運んだ。

 家が流されるなど被害がひどかった西武子(たけし)川沿いでは、地元に住む米山一雄さん(70)が「一面が湖みたいで自分だけではどうすることもできなかった。消防車の音が聞こえ、ボランティアの人たちの姿が見えたときはうれしかった」と説明。「中学生が土のうを運んでくれて、頼もしく感じた」と振り返った。

 同大教育学部三年の八巻颯(やまきそう)さん(21)は福島市出身で中学三年のときに東日本大震災を体験。「高校時代、福島県双葉町から移ってきた同級生に避難所生活の様子を聞いて、いろいろ考えさせられた。ニュースと実際に歩いて回るのでは見えるものが違う。現場に来なくてもできる支援もあると思う」と話した。

 同四年の若井田実穂さん(22)は昨年三月にもゼミの活動で鹿沼市を訪れ、被災者に会った。「話を聞くだけでも感謝してくれた。心のケアは時間がかかる。支援は継続が大切だと思う」と語った。市社協の渡辺靖崇さん(25)は「若い力は貴重。ボランティアといっても戸惑うかもしれないが、積極的に参加してほしい」と呼び掛けた。

 学生を引率した長谷川万由美教授は「触れてみないと人ごとになる。東日本大震災も、関東・東北水害も時間がたつと忘れられがち。学生には自分の経験や考えを後輩に伝えていってほしいと思っている」と話した。

 

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