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【栃木】

職員による身体的虐待5件 県内の障害者福祉施設

家宅捜索を取材する報道陣に囲まれた「ビ・ブライト」=宇都宮市で

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 県内の障害者福祉施設で起きた職員による障害者への身体的虐待は、二〇一二年十月から一五年度末までに五件あったことが県のまとめで分かった。宇都宮市の知的障害者支援施設「ビ・ブライト」で入所者が重傷を負った事件が発覚し、県障害福祉課の担当者は「今回の事件を機に、研修会などを通じてより注意を呼び掛けたい」としている。 (藤原哲也)

 県は一二年十月の障害者虐待防止法の施行を受けて、県や市町が把握した施設内での心理的、性的、経済的などを含めた虐待事案の件数を毎年度ごとにまとめて公表している。

 身体的虐待は一二年度一件、一三年度一件、一四年度がゼロで、一五年度が三件だった。虐待の状況やけがの程度など個別の案件について県は「公表していない」との立場だが、今回の事件のような重傷程度の事案はなかったという。

 一五年度に件数が増えたことについて県の担当者は、同法施行に伴って虐待防止への周知が進み、相談や通報件数が増えている点を指摘。「今まで潜在化していたものが顕在化してきた部分が大きく、虐待案件自体が増えているとは考えにくい」と説明した。

 県は毎年行っている施設管理者向けの運営に関する制度の説明会や、一般職員ら従事者を対象にした虐待防止の研修会を通じて、より一層の注意喚起や再発防止に取り組むとしている。

 一六年度の虐待事案のまとめは、今秋にも公表する見込みという。

◆「人権侵害する犯罪」県障害施設・事業協会長、施設職員の自覚強く促す

 障害者福祉施設で職員による虐待が絶えないことについて、NPO法人県障害施設・事業協会(宇都宮市)の菊地達美会長(64)は「虐待は犯罪だということを運営法人、職員一人一人が強く自覚しなければならない」と指摘する。

 菊地会長は「虐待」「いじめ」といった言葉を使うことで、行為の重大性が薄められていると主張。「人に不利益を与える、人権を侵害するということは犯罪と考えるべきだ」と強調する。

 同協会は、施設管理者らを対象にした研修や障害者自立支援などの各種事業を実施している。県内の約百六十の事業所が任意で加入しているが、事件が起きた「ビ・ブライト」の運営法人「瑞宝会」は加入していなかった。

 事件を受け、協会として当面は全容解明に向けた推移を見守りながら、取り組むべきことを検討するという。 (高橋淳)

 

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