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【栃木】

検証委中間報告に遺族疑問 那須雪崩事故から半年

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 那須町で登山講習会に参加していた高校生ら8人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故は、27日で発生から半年となった。県教育委員会が設けた第三者による検証委員会は、6月にまとめた中間報告を基に、再発防止に向けた最終報告を10月中旬に公表する方針だが、遺族の一部は「教員が雪崩の危険性をどう考えていたのかが曖昧だ。はっきりしないままで再発防止につながるのか」と疑問を投げ掛ける。

 「けが人がおらず、安心して終わってしまった」。二〇一〇年三月二十七日、今回と同じ登山講習会で高校生ら十数人が、最大で五十〜六十メートル流される雪崩が発生。しかし県教委に報告はなく、当時の引率教員は怠った理由をこう説明したという。

 中間報告で問題視された七年前の対応。講習の場所こそ変更されたものの、経験が共有されることはなかった。遺族は「当時の教訓が生かされていれば注意深くなり、今回の事故は防げたのではないか」と振り返る。

 雪崩を避けるために何ができたのか−。検証委は「ヒヤリ・ハット」や事故経験の共有を重視。事例を講習や登山計画に反映するほか、危険判断に役立つ指南書を作成して全国の山岳部に配ることが必要との見解を最終報告に盛り込み、国にも支援を求める方針だ。

 山岳指導者を育成する国立登山研修所(富山県立山町)も、高校の指導者向けに特化した研修を約二十年ぶりに設ける。

 中間報告では、教員が雪崩発生の条件や危険箇所を把握していなかったことも明らかになった。

 「樹林帯は大丈夫だと思った」との引率教員の証言について、ある遺族は「樹林帯を抜けた急斜面は雪崩が起こり得ると思っていたのではないか」と述べ、危険性の認識を否定した教員の主張に疑問を呈した。今後も講習会に参加した教員にアンケートを行うなど独自調査を続ける考えだ。

 <那須雪崩事故> 那須町の那須温泉ファミリースキー場周辺の国有林で3月27日朝、登山講習会に参加した県立大田原高など7校の山岳部員らが雪崩に巻き込まれ、同校の生徒7人と教員1人が死亡、40人がけがをした。雪崩注意報が出る中で雪上歩行訓練を行い、現場は専門家が「典型的な雪崩発生地帯」と指摘する急斜面だった。県警は業務上過失致死傷容疑で捜査を続けている。

 

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