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【栃木】

足利学校で「曝書」 貴重な蔵書 風通し点検

国宝などが含まれる貴重な古書を丁寧にめくる職員たち=足利学校で

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 足利市の史跡足利学校で蔵書を虫干しする「曝書(ばくしょ)」が二日、始まった。江戸時代以来の伝統行事で足利の秋の風物詩。四日は、中国南宋時代の十二世紀に刊行された国宝「尚書正義」が桐箱から取り出された。その日の天候によって実施するかを判断し、十一月十七日まで続けられる。 (吉岡潤)

 曝書は蔵書の湿気を取るとともに、保存状態を確認するのが目的。足利学校の蔵書は約一万七千冊に上り、国宝七十七冊、重要文化財(重文)九十八冊を含む。このうち毎年、千七百〜二千冊程度に風を通す。今年は、国宝十九冊、重文十一冊など千九百三十冊を目標にしている。

 書院の八畳二間に敷いた紙の上に、いつもは桐箱に保管している八十〜百冊を並べる。手袋とマスクを身に着けた足利学校事務所の職員数人が丁寧にページをめくり、とじ糸の状態やカビの有無、虫食いなどに目をこらし、保管用の桐箱も点検。結果を記録に残す。

 同事務所によると、実施にあたって注意するのが天候。雨天でない日を選び、湿度は40〜70%を目安にする。三日は晴れていたが、湿度が高かったため中止した。担当者は「始めてから天候が変化すると、障子を閉めて調節したり、途中でとりやめたりすることがある」と話す。

 午前十時〜午後二時半に作業する。冬季のように空気が乾燥し過ぎていても適切ではないそうで、「年間で最も天候が安定している時期で、条件のいい時間帯を選んでいる」。天候に恵まれず、千冊に届かなかった年もあるという。

 四日、書院に並べられた「尚書正義」は、元号「平成」の出典となった古書。室町時代に足利学校を再興した武将の上杉憲実が寄進した。国宝級の書物は、三〜四年、あるいは五〜六年くらいのサイクルで曝書する。

 「この時期になると、曝書の光景を見るのを楽しみに来場される方が多く、やっていないと残念がっていますね」と担当者。月〜土曜に作業しており、一般参観者は近くの廊下から見学できる。問い合わせは、足利学校事務所=電0284(41)2655=へ。

 

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