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【栃木】

那須雪崩事故 検証委最終報告 「再発防止への出発点」

検証委の最終報告を受け、記者会見する遺族の毛塚さん(左)=宇都宮市で

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 那須町で三月に県立大田原高校の生徒と教員計八人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故で、県教育委員会の第三者検証委員会が十五日に最終報告書を宇田貞夫教育長に提出した後、遺族らが宇都宮市で記者会見した。六カ月かけてまとめられた最終報告の内容に一定の評価をしながらも、不満も口にした。

 教員としてただ一人犠牲となった毛塚優甫(ゆうすけ)さん=当時(29)=の父辰幸さん(65)は、報告書が個人への責任追及は避けたものの、指導的立場にあった引率教員に安全配慮義務があったことに触れた点を評価。ただ「(雪崩発生現場へ)なぜ登って行ったのか、なぜ判断したのか、報告書を見ても分からない」と不満も語った。雪崩の発生原因を「自然発生か人為的なものか一方を特定することは難しい」と結論づけたことは「納得できない」。

 亡くなった奥公輝(まさき)さん=当時(16)=の父勝さん(46)は「出発点であり、県教委には実効性のある再発防止策をつくることを期待する」と今後の対応を注視する姿勢を見せた上で「(最終報告が出ても)われわれには区切りでも何でもない」と声を詰まらせた。 (北浜修)

 ◇ 

 第三者検証委員会が最終報告書を公表した十五日、遺族らは「大田原高校遺族・被害者一同」としてコメントを発表した。要旨は次の通り。

 事故から半年が過ぎました。私たちの心の傷が癒えることはありません。私たちは今後も心の傷と一生付き合って生きていくことになると覚悟しています。

 検証委の報告でも確認されました通り、雪崩注意報を無視し、目的や行動範囲を明確にしないまま雪崩が起きやすい場所に行って訓練をしたことは、明らかに現場の責任者に問題があったと考えます。三月の雪のある山で、複数の高校の生徒が多く参加するという大きな講習会にもかかわらず、もし事故が起きたらという考えと備えが全く見られませんでした。県高校体育連盟、県教育委員会、各高校管理職、それぞれの監督・指導機能が全く働いていませんでした。

 検証委が行ったことは、あくまでも事故の検証にすぎません。今回の事故の反省・改善はこれからだと思っています。本当の意味での反省・改善とは関係者全員が各自の心で責任を感じて、自ら考えて行動することにあると思っています。どうぞ本気で反省・改善をしてください。生徒、保護者、現場の職員にとって安心・安全な教育環境をつくってください。

 

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