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【栃木】

子ども守れ 教員向け指導案 御嶽教訓に新たな火山防災教育

2015年7月の那須岳登山を前に、リュックサックで頭を覆い、噴火時の身の守り方を確認する那須町立那須小の児童(同小提供)

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 2014年9月の御嶽山(長野・岐阜県)の噴火災害を機に、学校現場で火山防災教育の新たな試みが始まっている。栃木県内では、宇都宮地方気象台と有識者が、那須岳周辺の小中学校や教育委員会と連携し、火山の専門知識がない教員でも教えられる指導案を作成。子どもが噴火による被害をイメージでき、自ら迅速に避難行動を取れることを目標に、授業が行われている。

 登山客が多く訪れる活火山の那須岳。気象庁によると、現在は静穏だが、約六百年前の噴火では泥流が発生し、約百八十人が死亡。一九六三年には水蒸気噴火があり、同庁が常時監視している。

 指導案は、事前学習二回、体験学習一回で単元構成し、学習のポイントや指導上の留意点を分かりやすく記述した。

 事前学習はまず、登山を楽しめる火山でも突然、噴火することがあると説明。溶岩流や火砕流といった一般的な火山現象や被害、那須岳の過去の噴火を教える。一方で、火山は温泉などの恵みがあることも紹介する。

 ワークシートを用意し、噴火で想定される被害範囲を地図で確認させ、噴火時に(1)登山している(2)山から少し離れた場所にいる(3)安全な場所にいる−場合の対応について考えさせる。さらに登山などの体験学習を通じて身を守る具体的な行動について習得する。

 作成に当たった兵庫県立大の木村玲欧(れお)准教授(防災教育学)は「先生の誰もが、火山の特徴から噴火時の対応行動までを体系的に教えられる」と話す。

 山頂から約五キロの場所にある那須町立那須小(児童四十五人)は、二〇一五年からモデル校となり、毎年授業を実施。今年も六月に全学年対象に行い、七月には那須岳に登り、リュックサックで頭を覆うといった身の守り方を確かめた。松本利寿(としじ)教頭は「子どもたちは火山の知識が増え、防災行動も自主的に取れるようになってきている」と評価する。

 指導案は、宇都宮地方気象台のホームページで公開している。

 

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