東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 栃木 > 記事一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【栃木】

田中正造18年カレンダー 佐野の市民団体製作「直訴」へつながった歌

田中正造大学が作った2018年版カレンダー

写真

 佐野市出身の政治家で足尾鉱毒事件の解決に尽力した田中正造(一八四一〜一九一三年)の思想や行動を今に生かす活動に取り組んでいる同市の市民団体「田中正造大学」が恒例の新年用カレンダーを製作した。

 毎年、正造が日記や掛け軸などに残した歌や言葉を選び、直筆の写真をカレンダーに載せている。二十八回目の発行になる二〇一八年版は「世をいとひ そしりをいミて 何かせん 身をすてゝこそ たのしかりけれ」。

 この歌は、第三回「押出(おしだ)し」の前日である一八九八(明治三十一)年九月二十五日の日記に書かれた。「押出し」とは、鉱毒の被害民が大挙して上京し、国に陳情する集団行動。正造は代表者を選んで正々堂々と訴えるべきだと考えて被害民を説得し、このときの押出しを中断させた。

 同大学の解説によれば、歌は「自分が正しいと思うことを命をかけてやり遂げてこそ喜びが感じられる」と読める。被害民たちにどうされようと、押出しを止める決意を述べている。

 だが、政府は代表者に冷たく、後に正造は「説き伏せて帰らせたのは誤りだった」と自己批判する。明治天皇に対する「直訴」はこのときの責任を取ったともいわれる。

 同大学事務局長の坂原辰男さんは「正造の言葉は現代を映している。多くの人に正造を知ってほしい」と話す。

 カレンダーはB2判、一部五百円。問い合わせは、坂原さん=電0283(23)2896=へ。 (吉岡潤)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報