東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 栃木 > 記事一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【栃木】

手すき和紙にカラー印刷 那須烏山の「吉成」が開発

手すき和紙に印刷した古地図を手にする吉成印刷の渡辺大明会長(左)=那須烏山市で

写真

 那須烏山市の印刷会社「吉成(よしなり)印刷」(田中美保社長)が、業界で難しいとされる手すき和紙へのカラー印刷技術を開発した。特産の「烏山和紙」でうちわや名刺などの製作を始めており、ブランド力向上やインバウンド(訪日外国人客)の誘致につなげたい考えだ。

 「和紙に刷るだけで印象が全然違いますよね」。同社の渡辺大明会長(64)が、大判の和紙に印刷した地元の史跡「烏山城」の古地図を前に熱く語った。手すき和紙特有の色味や手触りが、温かい雰囲気を出している。

 和紙への印刷は、機械で生産された紙を使うのが一般的という。厚さや縦横のサイズが均一でない手すき和紙は連続給紙ができない上に、紙粉と呼ばれる繊維の粉が印刷機を汚してしまい故障の原因となるからだ。

 ある企業から二〇一六年二月、「手すき和紙でポスターを作りたい」と依頼されたのがきっかけだった。故障を覚悟で業務用のインクジェットプリンターを使ってカラー印刷をすると「洋紙のポスターでは出せない魅力がある」と喜ばれた。和紙の用途を広げられると思い、技術開発に取り組み始めた。

手すき和紙に印刷される古地図。奥は出来栄えを確認する渡辺会長

写真

 紙粉の発生を抑えようと、固定した紙の上を機械が往復しながらインキを吹きつける仕様の印刷機に着目し、国の「ものづくり補助金」を活用して一七年七月に導入。紙を印刷台にセットする道具を自作し、紙質に合わせてインキ噴射の向きや圧力を調整するなど試行錯誤を重ねて実用化し、九月に受注態勢が整った。

 今後は、カレンダーや便箋などの製品化も目指す。渡辺会長は「烏山和紙のお土産があれば海外の人にも喜ばれ、地域の活性化になるのではないか」と期待している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報