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【栃木】

短大生、似合う料理考案 佐野市の伝統工芸「天明鋳物」

天明鋳物の食器に盛り付られた料理の写真を撮影する大塚さん=佐野市で

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 佐野市で「天明鋳物」のPRに取り組む地域おこし協力隊員の大塚由香里さん(34)が、女性の関心を高めようと、伝統工芸と「食」を絡めたパンフレットを作成し、配布する準備を進めている。鋳物の食器に女子学生が考えた料理を盛り付け、カメラマンを本職とする大塚さん自身が写真を撮影した。年明けに食器の展示会を開き、冊子を配る。 (吉岡潤)

 千年以上の歴史があるとされる天明鋳物。今年一月から同隊員として活動している大塚さんは「釜など重厚感のある美術工芸品のイメージが強い。もっと身近に実用的に使えるということも知ってほしい」と思案し、「食」に着目した。

 天明鋳物のPR用フェイスブックで「いいね!」をしてくれるのは六割以上が男性。新たなファンとして「ライフスタイルにこだわりがあり、ある程度お金を自由に使える三十〜五十代の女性」に狙いを付けた。

 自分で作った料理をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で紹介する女性は多い。「普段使いできる食器と料理を組み合わせれば、天明鋳物に興味を持って購入したり、発信したりしてくれるのでは」と考えた。

 今回の企画用として、市内に四軒残る鋳物師(いもじ)に食器の製作を発注。一方、地元の佐野日大短大で栄養士資格の取得を目指す約八十人の学生に天明鋳物の説明資料を渡し、鋳物の器に似合いそうな料理を考えてもらった。

 食器は皿や小鉢、ジンギスカン鍋など十点。指導した同大講師の野中春奈さん(44)は「器から料理を考える試みは初めて。ほとんどの学生が天明鋳物を知らず、何をのせるのか、興味深かったですね」という。

 若い頭は柔軟。和食や洋食、デザートと多様な提案があり、その中から鋳物師たちが採用する料理を選んだ。天ぷら、とん平焼き、パフェなどに加え、ジンギスカン鍋を使ったチーズフォンデュという一品も。

 小山市出身の一年、日向野(ひがの)朋美さん(19)は「イチゴ大福」を思い付いた。「和菓子をのせたらおいしそうだなと。イチゴは栃木の名産で組み合わせもいい。天明鋳物は知らなかったけど、新鮮に感じました」

 十一月末に同大で学生らが調理。食器に盛り付けた完成品を、大塚さんが写真に収めた。「想像以上の出来。鋳物師さんたちも若い学生が天明鋳物をどう使うか考えてくれてとても喜んでいた」と大塚さん。「今回の企画で、天明鋳物を知って家に置いてくれる人が増えれば」と期待する。

 食器の展示会は来年一月十三〜三十一日に佐野市役所、同二月二〜十九日に佐野商工会議所で開催。会場で料理の写真とレシピを掲載したパンフレットを配る。

 

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