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【栃木】

救え命!救急車「MIZUGUCHI号」 車好き長男思い寄付 配備

救急車のキーを小菅町長(左)に引き継ぐ水口さん夫妻=壬生町で(石橋地区消防組合提供)

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 壬生町などを管轄する石橋地区消防組合に、最新の高規格救急車1台が配備された。車好きだった一人息子を亡くした同町の水口勝弘さん(72)、国子さん(72)夫妻が、購入費として死亡保険金3000万円を寄付し、配備が実現した。「MIZUGUCHI号」と名付けられた救急車は16日から、一人でも多くの人命を救うために街を走っている。 (高橋淳)

 長男の英樹さんは一昨年の夏、四十歳の若さで亡くなった。ある朝、自宅二階の自室で倒れているのを勝弘さんが発見した。「前夜まではずっと元気だった。突然死のようなものだった」と国子さんは話す。

 英樹さんは、かつての水口さん夫妻と同じように日産自動車栃木工場に勤め、車に人一倍愛着を持っていた。夫妻は、優しい性格だった英樹さんのためにも「困っている人の何かお役に立てないか」と思い巡らせ、石橋地区消防組合に日産製救急車購入費の寄付を申し出た。

 新しい救急車は、英樹さんが暮らしてきた壬生町にある壬生消防署に、古くなった一台を買い替える形で配備された。エンジンパワーや車の機動性がアップし、急病人やけが人を乗せる担架のストレッチャーは耐久性に優れた最新式。室内はレイアウトが改善され、清潔に保つ技術も導入された。四千四百万円の購入費に、寄付金が充てられた。

 組合側は、救急車に愛称を付けることを水口さん夫妻に提案し、「MIZUGUCHI号」の文字を車体にあしらった。車のナンバーは、英樹さんの愛車と同じ「34」が採用された。

 十五日、壬生消防署で式典があり、水口さん夫妻や壬生町の小菅一弥町長、組合の吉田勝義消防長らがテープカットして配備を祝った。夫妻には小菅町長から感謝状が贈られた。吉田消防長は「多くの命を救うのに役立てたい」と謝辞を述べた。

 国子さんは「病気やけがで苦しむ人が一命を取り留め、元気になることにつながればうれしい」と配備を喜び、「何よりも息子が一番喜んでくれていると思う」と話した。

 

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