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【栃木】

<小森信道の東奔西走 自転車レース取材記> ドーピング 「甘い誘惑」に負けるな

極限まで鍛え上げられた肉体と精神を持った選手同士がしのぎを削り合うからこそ、スポーツに感動は生まれる。その根幹を揺るがすドーピングが国内ロードレース界に持ち込まれないことを願うばかりだ=昨年10月、宇都宮市で

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 カヌー競技で選手の一人が、ライバルの飲料に禁止薬物をひそかに混入してドーピング違反に陥れていたことが発覚し、大きな話題になった。

 自国開催の五輪出場に危機感を抱いたための行為はフェアプレーの精神に反するものであり、スポーツの根幹を揺るがしかねない愚行。断じて許されるものではない。

 ライバルをドーピング違反に陥れるのは、世界的に見ても珍しいことだ。しかし、自身がドーピング違反を犯す行為は、スポーツの世界では枚挙に暇(いとま)がない。

 特に、自転車ロードレースの世界は、その歴史自体がドーピングの歴史と言っても過言ではないほどで、国外では過去に個人ではもちろん、チームぐるみでドーピングを行っていた時代もあった。

 現在ではより厳格な検査と、厳しい制裁が科されるようになったため、その数は劇的に減っている。

 むしろ、禁止薬物に指定される成分が入っているため、選手は市販の風邪薬を服用することすらもできず、神経をすり減らす毎日を送っているのが現状だ。

 それでも年に数回は国外で、ドーピングに違反する禁止薬物が選手から検出されたという報道を目にすることがある。

 ロードレースは持久力や瞬発力などの身体的能力が高い選手が圧倒的に有利な競技。それだけに、摂取するだけで劇的な効果がある禁止薬物が選手にとって「甘い誘惑」になるのだろう。

 ここ数年、国内ロードレース界にも外国人選手が多くなってきた。本場を知る彼らの走りを見たり競り合ったりすることで、レースレベルが年々向上しているのを取材をしていて実感している。

 それだけに、「甘い誘惑」が国内に持ち込まれず、日本人選手が誘惑に負けないことを祈るばかりだ。

 

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