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【栃木】

宇都宮などの文明開化記録 写真師の足跡たどる

栃木から宇都宮に移転した県庁を撮影した作品(中央)も展示されている=宇都宮市で

写真

 文星芸術大学系列の博物館「上野記念館」(宇都宮市)で、郷土宇都宮を中心に文明開化時を写真に記録した上野文七郎(ぶんしちろう)(一八三九〜九八年)を振り返る展覧会が開かれている。三月十七日まで。

 宇都宮の上野家当主だった文七郎は、家業の薬種商とともに、ガラスや洋酒などの舶来品の販売を手掛けたほか、当時の県令三島通庸(みちつね)の御用写真師として、栃木から宇都宮への県庁移転など、歴史的に貴重な場面にも立ち会っていた。

 文七郎が仕えた三島県令は、自由民権運動の弾圧で知られ、土木県令の異名もあり、土木行政を強力に推進した。文七郎は、土木事業の成果を写真に記録する役割を担った。

 栃木から宇都宮への県庁移転(八四年)では、正面や二荒山神社からの遠望なども撮影されている。

 三島県令が力を注いだ栃木から山形へ通じる「東北新道の敷設事業」では、栃木、福島両県の各スポットでの現場写真も記録している。現場写真は、近代洋画の父とされる高橋由一の「東北新道石版画」など、一連の作品の基にもなっている。

 展覧会では、写真のほか、営んでいた薬種商の注文書、看板など約百三十点を紹介。また、西郷隆盛の直筆の掛け軸も展示している。上野家と西郷家が交流があり、掛け軸にはワシントン、ナポレオンなどの文字も記されている。

 館長で同大の上野憲示学長は「シャッタースピードも限界があり、労働者が動いてブレのある作品もあるが、最新の土木事業のサンプルとして、各地に土木技術を普及させた面も大きい」と話す。日曜・祝日休館。入館料は一般五百円、高校・大学生二百円、中学生以下無料。 (原田拓哉)

 

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