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【栃木】

スイッチOFFなら笑顔 思わず消したくなるシールで賞

受賞した「思わず消したくなるスイッチ」

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 照明のスイッチに「思わず消したくなる」ようなデザインのシールを貼って省エネを促すアイデアを、宇都宮大助教の糸井川高穂(たかほ)さん(35)=人間工学=が考え、環境省のコンテストで入賞を果たした。「スイッチを押したいから押した」という自然な行動を、節電という結果に結び付けるアプローチが特徴だ。 (高橋淳)

 人の笑顔をプリントした透明のシールをスイッチに貼り、オフだと笑顔がそのままの状態で保たれるが、オンにすると見開いた両目が現れてこちらをのぞく、というアイデア。

 「人は他人の顔、特に目に注意が行きやすい。見開いて驚いている目ならなおさらで、それを隠そうとついついオフにしてしまう。認知心理学などの学術的理論に基づいたデザインを採用している」と糸井川さんは解説する。

 このアイデアは、省エネ意識の高くない人にも行動を期待できるのが、大きな特長。スイッチにシールを貼るだけで手間と費用がそれほどかからず、普及しやすい利点もある。糸井川さんは自身の研究室のホームページでシールのデザインを公開し、誰でも無料で利用できるようにした。

 糸井川さんは二〇一四年から宇都宮大に勤めるまで、大手電機メーカーでエアコンの設計をしていた。本体の省エネ性能が頭打ちになりつつある中、使う人が設定温度を一度調節するだけで大きな省エネ効果があることを痛感したという。

 宇都宮大に入ってからは、通年で省エネ効果が見込める照明器具で、省エネ行動を促せる方法や装置を学生と研究してきた。出発点は「持続可能な社会の実現には、正論を投げかけるだけでは意識の高くない人の行動は変えられない」という問題意識。そこからアイデアは生まれた。

 省エネ行動を誘発するアプローチを多くの人に知ってもらおうと、環境省が地球温暖化対策につながる「賢い選択」(クールチョイス)を広めるアイデアなどを募集した「クールチョイスリーダーズアワード」に応募。昨年十二月、応募総数五百十八点の中から入賞十四点の一つに選ばれた。特別審査委員を務めたお笑いコンビ・爆笑問題の田中裕二さんが選ぶ「田中賞・コロンブスの卵賞」を受賞した。

 糸井川さんは人の笑顔のほかにも、指と指を結ぶ「赤い糸」がスイッチをオンにすると切れてしまうデザインのシールなども考案している。「省エネを呼び掛けるポスターは至る所にあるが、どれだけ行動に結び付いているのかは疑問。行動につなげられる手法の一つとして、多くの人に提案したい」と話している。

 

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