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【栃木】

原発事故風化に危機感共有 宇都宮で「7年目の課題」シンポ

パネルトークで議論する大学研究者ら=宇都宮市で

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 二〇一一年の東京電力福島第一原発事故の影響を受けた栃木、茨城、福島各県の大学研究者が「事故後七年目の課題」を考える公開シンポジウムが九日、宇都宮市の宇都宮大峰キャンパスであった。基調講演とパネルトークを通じて出席者は、現在も続く被害の現状を報告し、事故の風化が急速に進む危機を訴えた。 (藤原哲也)

 県境を越えて被災地の問題を共有しようと、同大の多文化公共圏センター福島原発震災に関する研究フォーラムなどが主催。約百人の聴衆が耳を傾けた。

 基調講演は「不可視化される低認知被害」のタイトルで、同大の清水奈名子准教授、茨城大の原口弥生教授、福島大の荒木田岳准教授の三人が登壇した。

 清水准教授は社会的認知度が低く、十分な対策が講じられていない被害を「低認知被害」と定義し、栃木県内に残る放射性物質の汚染や、全県規模の健康調査が行われていない問題を指摘した。

 その上で、被害への無理解や誤解から偏見が生まれやすいと指摘。「県境を越えて連携し、開かれた議論が必要だ」と強調した。

 原口教授は福島から茨城への避難者に触れ、避難の長期化で賠償問題など原発事故への意識が、避難者の中で多様化している現状などを報告。低認知被害でも責任の所在を明らかにする重要性を話した。

 家族が今も新潟県内に避難している荒木田准教授は、事故の矮小(わいしょう)化が社会からルールや信頼を喪失させたと主張。「原発事故の実態を考えずに、今の社会を立て直すことはできない」と強い口調で語りかけた。

 パネルトークには五人の研究者が登場。講演した三人の意見に同調しながら、市民活動や地域の大学が果たす役割などを話し合っていた。

 

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