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【栃木】

<11日に考えた>原発ゼロ、太陽作戦 断熱とまきストーブで楽しく省エネ

「すでに4年ぐらい過ごせる分はあります」とまきの前に立つ吉田さん=佐野市で

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 佐野市閑馬(かんま)町で暮らす吉田登志幸(としゆき)さん(48)は、省エネにつながる建材の販売会社を営む。「原発がいらない社会を実現する」と、再生可能エネルギーの普及啓発などに取り組むグループの一員として講演などで忙しく飛び回る。「生きている間に原発を止めたい。ただ鬼の形相で『原発反対』とは叫ばない。楽しくやさしく」。省エネしながら健康に暮らせる「住まいの断熱」を提案する。 (吉岡潤)

 商社で建材の営業を担当し、七年半、福島県郡山市で働いた。当時から「エネルギーを無駄にしない住宅が必要になる時代が来る」と考えて、高断熱、高気密の工法を勉強した。二〇〇一年、三十歳で独立。北関東にビジネスチャンスがあると見込み、交通の便がいい佐野市に拠点を定めた。

 〇六年に「モデルハウス」を兼ねて、木造二階建ての自宅を構えた。断熱に優れた建材を使い、寒い日も一階のまきストーブをちょっとたけば、暖気が二階にも上がって家中がすぐに暖まる。夏は熱をはね返すので太陽光が差し込むのを遮断すれば、冷房を多用しないで済む。屋根に太陽光パネルが置かれ、売電収入と光熱費の差し引きは年間十万円ほどのプラスという。

 家を建てた後、「持続可能なまちづくり」を目標にそれぞれの専門性を生かして情報発信や政策提言を行う全国ネットワーク「クラブヴォーバン」(東京都)に参加。今は佐野市に拠点を置く「ソーラーシティ・ジャパン」などエネルギーや環境をテーマに活動する六団体に名を連ねる。

 活動を始めて数年たった一一年三月、東京電力福島第一原発事故が起きた。福島県南相馬市の原発二十キロ圏内には、妻・美保さんの親族が多く住んでいた。「ショックだった。それまでは理想を語っていた感じだったけれど、待ったなし、早くやらなくてはいけないとトップギアに入った」

2階建ての吉田さん宅全体を暖めるまきストーブ

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 年間三十回以上こなす講演で必ず、参加者に「日本のエネルギー自給率は?」と問う。30%ぐらいあたりで多くの手が上がる。「日本を過大評価している。実際は6%。『エネルギー赤ちゃん』です」と話す。

 「健康」を入り口に話を進める。全世代共通の関心事だからだ。「冷えは万病の元。体は冷やしちゃいけない。でもエネルギー自給率は低い。どうするか」。エネルギーを無駄にせず、我慢もしない。そんな吉田さんの考えを具現化する手段の一つが住まいの断熱。「ヒートショック」とも無縁、寒い朝も子供はすぐ起き、集中して勉強もはかどる。実際に吉田さんの息子二人は早起きという。

 誰もがすぐに高断熱の工法を導入できるわけではないから、手軽にできる工夫も紹介する。「僕なりの『実力行使』で、原発エネルギーをつくっても買う人がいなくなるようにしたい。北風ではなく、太陽のようなやり方で」

 

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