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【栃木】

県指定文化財、63件が所在不明 無届け譲渡や所有者と連絡とれず

 県指定有形文化財(美術工芸品)の約一割に相当する六十三件が所在不明となっていることが、県教育委員会の初めての所在確認調査で分かった。所有者と連絡を取ることができなかったり、所有者の死亡や無届けで譲渡したり、在りかが分からないケースが多かった。 (北浜修)

 全国に所在不明の国指定文化財(美術工芸品)があることが表面化したことを機に、県指定文化財の状況を把握しようと、二〇一三年度から、市町の教育委員会を通じて調査していた。

 この結果、調査開始時に指定されていた美術工芸品六百十件のうち、五百四十七件の所在を確認したものの、残りの六十三件は判明しなかった。

 六十三件の指定書における所有者は個人が六十一件を占め、社寺一件、企業一件。市町別では、宇都宮市が二十九件と最も多く、日光市十三件、佐野市十一件などと続いた。

 種別では、刀剣類などの工芸品三十一件、絵画二十五件、彫刻三件、書跡二件、考古・歴史資料二件だった。県教委文化財課の担当者は「刀剣類や絵画にはしっかりとした古物市場があり、売買の対象になりやすい。所有者が移り変わる中で、所在不明となる件数が多いのではないか」と推測する。

 所在が分からない刀剣類の一つ、「なぎなた 銘(めい) 肥前国陸奥守忠吉(ひぜんこくむつのかみただよし)」は、六十三件の中で最も古い一九五四年に指定された。長さ五十四センチ、豪壮に造り込まれた江戸期のなぎなたで、宇都宮市内で個人が所有しているはずだった。

 県教委は十三日から、県のホームページに六十三件の一覧を掲載して、情報提供の呼びかけを始めた。すでに「うちに、それらしきものがある」との知らせが数件寄せられているという。

 所有者は文化財を良好な状態で保管、管理するよう義務付けられており、譲渡や売却時には所有者変更届を出さなければならない。

 県教委はこうした責務や所有する上での諸手続きを解説した冊子「所有者の手引き」を作製し、所在が判明した五百四十七件の所有者らに配布する。今後は市町教委を通じて数年に一回、定期的に所在を調査し、情報共有を図る。

 

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