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【栃木】

<11日に考えた>広がれ「おのくん」の輪 宮城・東松島の被災女性が作るサルの人形

「おのくん」を手にする坂本澄子さん=宇都宮市で

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 東日本大震災で被災した宮城県東松島市の女性たちが作るサルのキャラクター人形「おのくん」を広める活動を、宇都宮市で建設業を営む坂本勝則さん(49)と妻の澄子さん(48)が続けている。宇都宮におのくんを購入した人たちの交流の場をつくり、現地には制作工房を贈った。「おのくんを知ることが、東松島に行ってみたいと思うきっかけになれば」。地道な取り組みに、復興支援への思いを込める。(原田拓哉)

 勝則さんがおのくんと出合ったのは震災から三年後の二〇一四年。知り合いから三体を譲り受け、誕生の経緯などを聞いて興味を引かれた。仕事仲間や澄子さんと一緒に、東松島市に出掛けるようになった。

 おのくんは手づくりのため、表情、柄、大きさが一つ一つ異なり、同じものがない。二人は、そんなことにも魅力を感じた。

 被災地の女性たちは、おのくんの購入者を「里親」、里親が再び東松島を訪れることを「里帰り」と呼んでいる。

 勝則さんたちは、宇都宮市内で開かれた住宅機器メーカーのイベントで「里親募集」のブースを出展し、復興支援を呼び掛けた。

 一六年十月には、経営する「坂本材木店」の事務所の車庫を改修して、里親が集える場所「マチブラステーション宇都宮」を開設した。山形、宮城、埼玉、東京など県外からも数多く訪れ、交流を深める。

 おのくんを制作している仮設住宅が一七年九月までに閉鎖されると決まったときには、仕事仲間と協力して、四畳ほどのプレハブ小屋の「工房」を用意。トラックで搬送して寄贈した。

 現地でおのくん制作を通じた復興プロジェクトの代表を務める新城隼さん(47)は「困っていた時に、大変助かった。制作だけでなく、おばあちゃんたちが週一回、お茶を楽しみに集まる場所にも利用している」と感謝する。

 勝則さんたちの活動により里親になった人は八百人を超えた。震災から七年がたった今も、勝則さんは月に一度は東松島に足を運ぶ。「生まれも育ちも宇都宮だが、東松島は第二のふるさと。『里親の会』のような組織が全国に広がり、ネットワーク化されれば」と願う。

 問い合わせは、坂本材木店=電028(661)7068=へ。

◆名前は仮設住宅から 購入費は復興支援に

 おのくんは、東松島市の小野駅前仮設住宅で、女性たちが靴下に綿を詰めて作るサルのぬいぐるみ。米国発祥のソックモンキーが仮設住宅の子どもに届けられたのをきっかけに、震災翌年の2012年、ソックモンキーを参考にして誕生した。仮設住宅の名前にちなんで名付けられた。1体1000円。購入費は復興支援に役立てられる。

 

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