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【栃木】

とちぎの木版画たどる 宇都宮拠点に創作 版画家・川上澄生

店舗の包装紙などが展示されている「とちぎのデザイン」のコーナー=鹿沼市立川上澄生美術館で

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 宇都宮を拠点に活躍した版画家・川上澄生(1895〜1972年)や澄生と関わりを持った人たちの創作活動を振り返る企画展「川上澄生と旅に出よう!〜とちぎの木版画をたどる〜」が、鹿沼市立川上澄生美術館で開かれている。澄生が高校教師時代の教え子と制作した版画誌や、新たに収蔵された青春時代の貴重な作品など計約130点を展示。初公開も多い。7月1日まで。 (原田拓哉)

 横浜生まれの澄生は、二十六歳で旧制宇都宮中学(現・宇都宮高校)の英語教師となり、本格的に木版画を手掛けた。戦時中、北海道に疎開した数年間を除き、宇都宮で創作活動を続けた。戦後は、宇都宮女子高でも教壇に立った。

 企画展では、宇都宮中学、宇都宮女子高の教師時代に、生徒たちと制作した版画誌「刀(とう)」(宇都宮中学)「鈍刀(どんとう)」(宇都宮女子高)から、澄生や生徒たちの作品を紹介している。「とちぎ」を主題にした作品を中心に選んで、宇都宮、日光の風景が描かれている。

 澄生はまた、商業美術家を夢見て、宇都宮の和菓子店、陶器販売店などの店舗の包装紙や看板などを数多く手掛けた。書店のブックカバーなどは、今も本を彩り、デザイン性は失われていない。これらの作品は「とちぎのデザイン」コーナーで展示している。

 新しい収蔵品では、澄生が平峯劉吉(ひらみねりゅうきち)と名乗り、将来を模索していた十八歳から二十四歳までの作品が興味深い。「INFERNO」「耶蘇約輪(やそよはね)」などが初公開で、これまで空白だった青年時代の創作活動を物語る貴重な作品という。

 学芸員の原田敏行さんは「栃木にまつわる作品を展示しているが、写真でなく木版画を通じて、栃木がどう見えるかを感じてもらえれば。初公開の作品も多く、一度、美術館に足を運んだ人でも澄生の新しい面が楽しめる」と話す。

 原則月曜休館。入館料は一般三百円、高校・大学生二百円、小・中学生百円。

 

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