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【栃木】

大谷 キーワードで迫る 虚闇層光 宇都宮美術館でコレクション展

会場に展示されている清水登之の「丘に憩う」=宇都宮美術館で

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 大谷石の産地として知られる宇都宮市の「大谷」をテーマにしたコレクション展「大谷をめぐる五つの断章」が、同市の宇都宮美術館で開かれている。大谷を描いた画家たちの作品のほか、大谷からイメージされる四つの言葉で構成した計約70点を展示。作品を通じて、地域の魅力を発信している。(原田拓哉)

 大谷を描いた画家たちのコーナーでは、奇岩や坑内の様子などが表現されている。目玉の一つが、現在の栃木市出身の洋画家清水登之(とし)の「丘に憩う」。米国などに渡ったが、一時帰省した一九三三年の作品で、石工たちのリズム感あふれる露天掘りの姿が伝わる。

 大谷石を利用した市内の松が峰教会や、大谷石を運搬する軌道などを描いた版画は、小学校の教師たちの三〇年前後の作品。当時、旧制宇都宮中学校教師で後に版画家として活躍する川上澄生が本格的に創作活動に入り、小学校教師の間で、版画制作がブームになっていたという。

 大谷をイメージしたキーワードは「虚(うつろ)」「闇」「層」「光」の四つ。「闇」では、国内最初の商業デザイナーといわれる杉浦非水の「非水百花譜」から木版画とシルエット画を紹介している。影に特徴がある、同館の代表的収蔵品の一つ、マグリットの「夢」も展示。

 「光」のコーナーでは、大谷が観光資源などとして再注目されている点から、楽園やユートピアをモチーフにした作品を選んだ。宇都宮で活躍する日本画家荒井孝さんが描いた法隆寺の「夢殿」や古代ギリシャの少年少女の恋物語をテーマにしたシャガールの四点の版画は、春の雰囲気が漂う。

 伊藤伸子主任学芸員は「普段は分野や歴史などに沿って、展示を構成するが、今回はジャンルをミックスしていることで、そのおもしろさも感じてもらえるのでは」と話す。

 「大谷をめぐる五つの断章」は八月二日まで。六月十二日からは、一部の作品を展示替えする。原則月曜休館。観覧料は一般三百十円、大学生・高校生二百十円、中学生・小学生百円(市内在学、在住の高校生以下は無料)。問い合わせは、同館=電028(643)0100=へ。

 

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