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【栃木】

日光杉並木 倒木に命 矢板の工芸作家 ペン、万年筆に再生

工房で木材を削る関谷天真さん=矢板市で

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 日光市の「日光杉並木街道」の倒木を活用し、矢板市の工芸作家関谷天真(てんしん)=本名義介=さんが、ボールペンや万年筆を手作りしている。杉並木は国の特別史跡と特別天然記念物に二重指定され、樹齢は約400年。倒木の枝は大半がそのまま廃棄されていたが、関谷さんは「貴重な文化財を生かし、杉並木のイメージ向上につなげたい」と意気込む。

 木工ろくろの音が「ウィーン」と響き渡る庭先の工房。関谷さんは高速回転する木材の表面を刃物で削っていた。「枝を加工するところから手作りです」。大胆な手つきで一ミリ単位の繊細な作業をこなす技が光る。

 日光東照宮によると、一六二五年から二十年以上の歳月をかけて植えられた杉は老齢化が進み、倒木は多い年には数十本。幹は材木に利用するが、大量の枝は処分される。

 「面白い素材がある」と知り合いの伐採職人から教えられた関谷さん。空洞や裂け目があるため、小片で制作できるボールペンを思いつき、七、八年ほど前から制作を始めたという。樹齢が高いほど木目が細かいので柄が手になじみ、高級感が出るため「贈答品に最適」と好評だ。

 最も人気のあるボールペンは、日光市の道の駅にある船村徹記念館で二千百六十円から販売。万年筆や置き時計もあり、東京スカイツリータウンのアンテナショップなどでも購入できる。

 関谷さんは制作をきっかけに、街道周辺の美化活動に参加。「周辺住民にとっては、落ち葉などで迷惑だと感じることも多い。商品を通じて杉並木の価値に目を向けてほしい」と話している。

 

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