東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 栃木 > 記事一覧 > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【栃木】

<11日に考えた>市貝温泉食堂7年ぶり再開 障害者が働く場に

食堂で働くスタッフたち

写真

 二〇一一年の東日本大震災で被災した市貝町の「市貝温泉健康保養センター」の食堂が、温かい食事を望む利用者の声に応え、約七年ぶりに営業を再開した。調理室を二倍に広げるなど全面改修し、障害のある人たちの働く場として復活した。 (小川直人)

 センターは一九九二年に開設。町民らに親しまれてきたが、震災によって浴槽に面した大型のガラスが割れるなどして営業停止に追い込まれた。当時を知る女性職員(49)は「ガラスの割れ方がひどく、靴を履いて対応した。ロッカーも倒れた」と振り返る。調理室も設備などが壊れた。

 国の復興支援を受け、温泉施設としては一三年十二月に営業を再開したが、食堂の復旧は、運営する担い手が見つからなかったことなどから後回しになった。代わりに、カップ麺や総菜などを販売してしのいだ。利用者からは「食事をしながら、のんびりできる場がほしい」といった声が寄せられていたという。

 町は一七年度、約二千万円をかけて食堂を改修。調理室のロビー側にカフェとしても使えるカウンターを設置し、手狭だった調理室は倍の約三十平方メートルに広げた。

 障害のある人たちが活躍できる場にしようと、社会福祉法人「こぶしの会」(宇都宮市)に営業を任せた。食堂は「おらが市貝食堂」と命名された。先月二十日にリニューアルオープンし、作りたてのラーメンやざるそば、カレーライス、焼き肉定食などを提供している。

新たに整備された調理室=いずれも市貝町で

写真

 スタッフ十三人のうち十人が障害のある人という。由水洋平店長(31)は「おいしい、頑張っているね、と利用者が声を掛けてくれる。地元の人たちと交流できることが、働く障害者にとって何より良い」と話す。

 スタッフの大賀祐介さん(31)=益子町=は、朝は近くにある会の作業所でパンを製造し、昼に食堂で働く。「仕事は覚えた。(他の店舗などへの)就職を目指しているので、この食堂で勉強中です」と笑顔をのぞかせた。

 利用者の女性(70)は「温かい料理がおいしい」、別の女性(81)も「働いているお兄ちゃんやお姉ちゃんたちがとても親切」と再開を歓迎していた。

 センターの営業時間は午前十時〜午後九時(食堂は午前十一時〜午後二時)。木曜は休館。問い合わせは=電0285(68)4460=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報