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【栃木】

「宇都宮」染める手ぬぐい 宇都宮美術館などが商品化

宇都宮をモチーフにしたデザインで商品化された手ぬぐい=宇都宮美術館で

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 木綿や絹を染色する宇都宮市伝統の「宮染め」の技術で、大谷石の産地・大谷や市中心部を流れる田川など「宇都宮らしさ」を表現したデザインの手ぬぐい五種類が商品化された。宇都宮美術館が市民や宇都宮大の学生らと取り組んだ「館外プロジェクト」で創作されたデザインを採用。同館は「多くの人たちに宇都宮らしい普遍的な柄として感じてもらえたら」と期待する。 (原田拓哉)

 館外プロジェクトは二〇一五年度、「地域産業とデザイン」をテーマに掲げられた。染料を注いで染める日本独自の型染め「注染(ちゅうせん)」の技法を受け継ぐ「宮染め」。江戸時代から続くその伝統の再生に取り組んだ。

 田川やその支流が入り組む自然環境により、宇都宮は大正から昭和の戦前まで注染の一大拠点となり、数十軒の染色業者が軒を連ねていた。主力製品は浴衣や手ぬぐいだったが、着物離れなどもあって衰退し、現在、染色業を営む工場は三軒にまで減少した。

 プロジェクトでは、宇大で建築を専攻する学生たちが、かつての工場跡を示したマップを作製したりワークショップを開いたりして、宮染めを学んだ。

 今回、手ぬぐいのデザインに採用されたのは、プロジェクトで公募し、大賞や準大賞などに選ばれた五点。大谷石の採掘場壁面に見られる手掘り・機械掘りの規則的な掘り跡を表現した「大谷石採掘の痕跡」、宇都宮城に由来する市章「亀甲」を白で浮かび上がらせた「宮ドット」など、宇都宮らしさをモチーフに、創作された。

 県内で四月から展開されている大型観光企画「デスティネーションキャンペーン(DC)」に合わせ、商品化された。プロジェクトに加わった老舗の染色業者「中川染(せん)工場」や東武宇都宮百貨店が協力した。商品は「宮の注染を拓(ひら)く 手拭(てぬぐい)」と名付けられた。

 価格は、一枚八百六十四円と千二百九十六円の二種類。東武宇都宮百貨店と宇都宮美術館で販売している。

 美術館の橋本優子主任学芸員は「DCをきっかけに商品化されたが、流行に左右されることなく、宇都宮を代表するデザインとして長く愛されてほしい」と話す。

 

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