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【栃木】

「那須」教訓に安全な登山を 県教委、高校の顧問対象に初の研修会

講師の瀬木さん(右から3人目)と一緒に地形図を読み取る参加者=県庁研修館で

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 県内の高校の登山部顧問らを対象にした安全登山のための研修会が二十日、宇都宮市の県庁研修館であった。昨年三月に大田原高校の生徒と教員計八人が死亡した那須雪崩事故の再発防止策の一環として、県教育委員会が初めて開いた。 (高橋淳)

 顧問や県高校体育連盟の関係者ら十六校の二十五人が参加した。国立登山研修所(富山県立山町)の講師を長年務める飛騨山岳会の瀬木(せぎ)紀彦さん(71)=岐阜県高山市在住=を講師に招き、地形図の読み取りや、地形図を単純化した「概念図」の作り方を実践を交えて学んだ。

 等高線などが描かれた地形図は「見る」のではなく「読む」ことで、多くの情報を得て、現地の様子を形や映像でイメージすることが大切だと教わった。実際に地形図を使って、等高線や各種記号から尾根や沢、標高が周りより高い地点「ピーク」などを見つけ出して書き込んだ。三〜四人のグループに分かれて、各自の読み方について意見交換もした。

 概念図は、地形図に半透明のトレーシングペーパーを重ねて作製。地形図から読み取れるさまざまな情報を点や線に置き換える訓練をした。概念図は登山時に使うだけでなく、登山前に作製する作業そのものが山への理解につながるとして、「リーダーだけでなく、登山に参加する全員で作るのが良い」とアドバイスを受けた。

 瀬木さんは「安全登山とは基本を大事にする登山」と定義。高校生の登山活動で殊更に高度な技術を教える必要はないとの考えを示した上で「自然条件は高校生もそうでなくても同じ。初心者にも上級者にも、同じように襲ってくるという心構えで教える必要がある」と持論を語った。

 半日にわたる研修会を終えた参加者の一人は「顧問になって二十年近くになるが、新たな発見があった。公務がある中、知識や技術を勉強していくのは難しい面もある。こうした研修会が定期的にあると良いと思う」と話した。

 県教委は那須雪崩事故の再発防止策に顧問の資質向上を掲げており、研修会はその一環として開いた。本年度中に、顧問と登山部員や、新任の顧問を対象にした研修会も計画している。

 

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