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【栃木】

廃校乗り越えた奇跡 宇都宮・城山西小の存続を映画化

作品に登場する予定の孝子桜=宇都宮市立城山西小で

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 児童数の減少で一時廃校の危機にあった宇都宮市立城山(しろやま)西小学校で、教職員や地域住民が存続のために一体となった姿を描いたドキュメンタリー映画「奇跡の小学校の物語」(仮題)の製作が進んでいる。安孫子亘(わたる)監督は「学校が奇跡的によみがえっただけでなく、今も学校と地域に一体感が根付いている。伸び伸びとした子どもたちを見てもらいたい」と力を込める。今秋、一般公開される予定。 (原田拓哉)

 同校は二〇〇五年度、児童数が三十五人となり、市教育委員会から廃校の計画が示された。存続の前提となる複式学級を解消するため、小規模特認校として、学区外から児童の受け入れを始めた。

 特色のある学校を目指し、舞踊家や書家らの文化人が講師となる特別なカリキュラムを組んだほか、アナウンサーを招き、正しい日本語を学ぶなど、ユニークな取り組みを実践。地域住民も全面的に協力した。

 こうした努力が奏功し、児童数は現在、百二人に増加。このうち三分の二の六十九人が学区外から通う。学区外の保護者からは「少人数で学ばせたい」「特色ある授業が多い」といった声が寄せられる。

 これまでの活動を記録に残そうと、地元で映画製作の話が浮上し、ドキュメンタリー作品を数多く手掛ける那須町在住の安孫子監督に依頼した。

 撮影は二年前にスタート。安孫子監督は、特色のある同校の礎を築いた手塚英男元校長や、学校と地域の間に立った住民の北條将彦さん(62)らを取材。入学式、卒業式、運動会などの学校行事にも数多く足を運んだ。

 樹齢四百五十年を誇り、学校のシンボルでもある校庭のシダレザクラ「孝子桜」も映画を彩る。現在、編集作業が行われ、ナレーションや音楽も加わる。

 北條さんは「少子化で全国でも廃校の動きがある。情熱を持って本気になれば、変わっていくこともあると知ってもらいたい」と話す。安孫子監督は「撮影では驚きの連続だった。保護者の学校行事への参加もほかに比べて特別に多く、地域とのつながりを感じた」と振り返る。

 地元では映画製作を支援しようと、北條さんを委員長に映画製作委員会を発足させ、インターネットで資金を募る「クラウドファンディング」を行っている。六月二十九日までに百五十万円を集めることを目標に掲げている。「城山西小学校 レディーフォー」で検索。

 映画は一般公開に先駆け、宇都宮市で先行上映する予定という。

 

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