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【栃木】

日常に溶け込む原発事故の傷痕 福島の赤城さん 宇大で写真展

ドローンを使って撮影した写真を紹介する赤城修司さん=宇都宮市で

写真

 東京電力福島第一原発事故後の福島市を撮影し続けている同市の高校教諭、赤城修司さん(51)の写真展が二日、宇都宮市峰町の宇都宮大峰キャンパスにあるUUプラザで始まった。山積みされた除染土などの事故の「傷痕」が、日常の風景に溶け込んでしまっている姿を伝える。栃木県内の被害を調査している清水奈名子准教授の研究室が企画。「被害が見えにくくなっているのは栃木も同じ」と訴える。三日まで。 (高橋淳)

 美術教諭の赤城さんは、二〇一一年の事故後の福島市の姿を「五十年後にも残すべきだ」と考え、毎日のようにカメラを構えた。放射性物質の除染で生じた土が街のあちこちに置いてある風景、それを意識せずに日々の生活を送る市民の姿などを被写体に、これまでに約六十万枚を撮影。一五年には写真集を出版した。国内外で展示会が開かれている。

 栃木県内で初めてとなる今回の作品展では、事故直後から一八年にかけて撮った約二百点を展示。緑のシートに覆われた除染土のそばで子どもたちが元気に遊ぶ姿、建物が並ぶ市街地に唐突に現れる除染土の仮置き場などが目に入る。事故の痕跡が当たり前であるかのように「日常化」している様子が伝わる。

 赤城さんは「除染土の存在は福島市民も意識しなくなっている。いずれはなくなるのだろうが、今、目の前にある風景を、自分のできる範囲で記録していきたい」と話した。

 栃木県内でも、福島県に近い那須塩原市や那須町などの北部を中心に、除染土が学校や住宅の敷地などに一時保管され、処分が課題となっている。清水准教授は「時間がたつにつれて事故の被害は忘れられ、見えにくくなっている。栃木も人ごとでないことを知ってもらいたい」と話す。

 午前九時〜午後五時。入場無料。三日午後一時から、会場で赤城さんの講演会「僕の見た福島」がある。参加希望者は先着順に八十人まで受け付ける。

 

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