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【栃木】

栃木、群馬、埼玉の3県境を舗装し訪れやすく 各自治体が共同で整備

自作の木製看板を前に3県境の由来を説明する古沢さん(左)

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 栃木市、群馬県板倉町、埼玉県加須市の三自治体が、全国唯一の「三歩で回れる三県境」として売り出している三県境周辺の歩道を共同で整備した。約二十年前から看板を置くなど地道にPRしてきた栃木市の古沢満明さん(84)は「うれしい。誰もが訪れやすくなった」と喜んでいる。 (原田晋也)

 この三県境は加須市の「道の駅きたかわべ」南東の水田にある。もともと渡良瀬川の流域にあったが、足尾鉱毒事件をきっかけに川の付け替え工事が行われ一九一八(大正七)年に陸地に。その後、渡良瀬遊水地の造成工事で出た土砂が二メートルほど埋め立てられ平地となった。

 三県境は全国に四十カ所以上あるが、多くは山や川の中で立ち入りが難しい。平地にある珍しさから「県境マニア」がたびたび訪れることがあったが、目印になるものがなかった。栃木県側の地権者で、すぐ近くに子どものころから住んでいる古沢さんは「このあたりに三県境があるはずだが知らないか」と尋ねられることが多かったという。

 古沢さんは暇があれば成り立ちを語って聞かせ、自分がいない時でもわかるようにと約二十年前に手書きの木製看板を設置。境界点までのあぜ道に除草剤をまくなど訪れやすくする工夫もした。

 二年前に古沢さんが三県境の感想を書いてもらうノートを置いたところ、約二千人が書き込み、現在は六冊にまでなった。ノートに書かれていた「一人で来た人のためにカメラ台がほしい」などの要望に応え、古沢さんは木製のカメラ台、スマホ台、ベンチまで自作して置いた。

 世間の注目が集まってきた二〇一六年、三市町は長い間未確定だった境界を共同で測量調査し確定させた。さらに今年、古沢さんの土地を買い上げ、幅約二メートル、総延長約六十メートルの道路を舗装。県境を柵で覆い砕石も置いた。五月二十日には、完成を記念し道の駅きたかわべで三市町の物産などを販売する「三県境フェアー」を開いた。

 古沢さんによる現地でのガイドツアーも二回開かれ、ともに約五十人が集まる盛況ぶり。古沢さんは風雨にさらされ三代目という看板の前で成り立ちを説明。「栃木の小学校は六キロ離れているので埼玉の小学校へ通った」など県境の住民ならではのエピソードも語り来場者を楽しませた。

 古沢さんは「こんなに有名になるとは思わなかった」とうれしそうに語り「三市町がいろんなアイデアを出し、どんどん盛り上げてもらったらいいと思う」と期待した。

 

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