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【栃木】

「足利の花火撮りたい」 市出身・想田監督の新作上映

「足利の花火を撮りたい」と明かした想田監督(左)に「足利の一大イベント。手伝いたい」と応じた菊地監督=足利市で

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 映画のより深い楽しみ方を学ぶ「第三回あしかが映画塾」が足利市内で開かれ、市出身の想田和弘監督(48)の新作ドキュメンタリー映画「港町」「ザ・ビッグハウス」が上映された。各作品を鑑賞後、想田監督が観客に製作の裏話や足利の花火大会を撮影する構想などを明かした。 (吉岡潤)

 「ザ・ビッグハウス」は米国のミシガン大アメリカンフットボールチームの本拠地で、十万人以上を収容するスタジアムが舞台。想田監督は「人間は集まることが必要な生き物。スタジアムにいると、一体感を抱く。それは同時に怖いことでもある」と解説した。

 ナショナリズムを醸成する装置であり、ファシズムにつながる危うさも示唆する巨大スタジアム。「この映画を見て壮快だったという人もいれば、めちゃくちゃ気持ち悪かったという人もいる」と話した。

 この作品では、同大の学生たちとともに十七人でカメラを回し、スタジアムに集う人々、光景を多角的に切り取った。

 「一人では撮れないものが撮れ、自分の限界を超えられた」と自評。厨房(ちゅうぼう)を撮影した学生は「皿の視点で撮りたい」と食器洗い機にカメラを突っ込んだという。「発想が違う。だから映画は時代とともに変化していく」と愉快げに語った。

 「港町」は、瀬戸内海に面する町で暮らす人々の日々の営みを映し出す。

 上映後、同じく市出身で中学、高校の後輩でもある映画監督、菊地健雄さん(40)と対談。被写体のリサーチをせず、台本も書かずに撮影する「観察映画」という手法をとる想田監督は、登場人物との出会いが「偶然の連鎖だった」と説明。「観察映画は作り手と被写体の交流の記録。そこにダイナミズムがある」と表現した。

 司会者に市内で興味ある企画を問われ、想田監督は「花火。虎視眈々(たんたん)と狙っている」と即答。「ザ・ビッグハウス」と同様に多人数で撮る構想を示すと、菊地監督が「手伝いたい」と声を上げ、会場が沸いた。

 

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