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【栃木】

とちぎ秋まつり彩る170年前の人形山車 「静御前」1年超かけ大修理 きょうから一般公開

車輪や見送り幕などが修理された山車「静御前」=栃木市で

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 栃木市で2年に1度、開かれる「とちぎ秋まつり」を彩る人形山車「静御前」が昨年5月以来、1年以上に及ぶ修理を終えた。市内に残る山車9台のうち、最も古い1848年に制作された。これまで部分的な修理は重ねてきたが、大規模修理は珍しいという。5日から市内のとちぎ山車会館で公開される。 (吉岡潤)

 「完全に修復された。素晴らしい。秋まつりでは方々を回って披露したい」。同会館で三日に開かれたお披露目式。静御前を所有する倭(やまと)町三丁目を代表してあいさつした沢井康男自治会長(64)は相好を崩した。

 同市の山車と祭りを巡る歴史は、一八七四年、当時市内にあった県庁構内で開かれた祭典に、倭町三丁目が東京・日本橋の町内から購入した静御前を、泉町が宇都宮から購入した山車「諫鼓鶏(かんこどり)」を参加させたことから始まった。いわば静御前は「とちぎ秋まつりの発祥になった山車」(沢井自治会長)でもある。

 山車は上下可動式の三層構造。以前は五年に一度、二〇〇六年からは二年に一度開かれているまつりのたびに解体と組み立てを繰り返してきたため、かなり傷んでいた。沢井自治会長によると、一九三七年に主要部分のやぐらなどを修理したとみられるが、規模は不明という。

 大修理にあたっては資金が課題だったが、東日本鉄道文化財団の支援が受けられることになり、昨年五月に自治会、市、市観光協会などで修理保存委員会を設立。事業費は約千二百万円で、うち三百万円を同文化財団、残りを自治会と市が負担した。

 下段部分の「見送り幕」は、日本刺しゅうを専門とする女子美術大の岡田宣世(のぶよ)教授(68)が中心となって修繕した。「これだけ制作当初の姿が残っているのは貴重。江戸時代の職人の技術が発見できた」と話した。

 やぐらや車輪などを手掛けたのは、市内の工務店社長で宮大工の山本兵一(ひょういち)さん(70)。「こんな機会はなかなかない。面白かったけど、不安もあった。山車だけれど、神々しい」と笑みを浮かべた。

 今年のとちぎ秋まつりは十一月九〜十一日に開かれる。

 

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