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【栃木】

地域根ざす人材を育成 白鴎大・奥島学長に展望を聞く

「地域に密着しながら、世界を視野に入れた大局観を持つ人材を育てたい」と強調する奥島孝康学長=小山市で

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 小山市にキャンパスを置き、県内外から多くの学生が通う白鴎大は、前身を含めて約100年の歴史を持つ伝統校だ。元早稲田大総長で、現在、白鴎大の陣頭に立つ、奥島孝康学長(79)に、地域に根差した大学教育への取り組みと将来へのビジョンを聞いた。

 −学長に就任し六年目。大学や栃木県の印象は。

 広大な天地のもと、ゆったりとした雰囲気があり、学生も気立てがいい。埼玉の自宅からは通勤時間が小一時間しか、かからない。都心からも近く素晴らしい環境にある大学だ。

 栃木県は、鎌倉の坂東武者の源流の地であり、おおらかでいながら、心根に強い力を秘める県民性があるように感じる。

 −海なし県にある大学なのになぜ「白い鴎(カモメ)」の名が付いているのでしょう。

 大学のもとは、足利裁縫女学校。優しいながらも自立心旺盛な女子学生を育てていた。大学設立のころ、米国の小説「かもめのジョナサン」が非常に注目されていた。大空をはばたく、独立性の高い主人公と大学が目指す方向性が一致して名付けられた。

 カモメは海だけでなく、河にも多いんですよ。

 −大学の特色とは。これから何を「売り」にしていきたいのか。

 新入学生から非常にきめ細かく面倒を見る。全学年、四月の一カ月間は学生食堂の朝食が無料。五月以降は百円にしている。和洋日替わりの定食だ。

 教員にも潤沢に食券を渡し、学生と食事やお茶で交流を深めるよう呼び掛けている。ゆったりしたキャンパスで、教員と学生が語り合い、学びを深めることができることが売りだ。

 学食は仏語の「シェ・モア」。“ボクんち”という意味だよ。

 −小山市にキャンパスがある利点はどこに。

 新幹線駅があり、茨城県とは水戸線、前橋とは両毛線でつながっている。県内で最も便利な場所。県内の大学の中で交通至便といっていい。

 学生には、地域に密着しながら、世界を視野に入れた広い大局観を持ってほしい。その意味でも交通の便利さは重要だ。

 −地域との連携や一般市民の学ぶ場としての展望は。

 小山、栃木市や茨城県結城市など近隣自治体と協議を持ち、街づくりに大学がいかに貢献できるかを話し合っている。学生が実際に街を歩いてアイデアを出すこともある。

 お年寄りも、若者もいる活気ある街をつくりたい。

 市民が、語学や経済学など学生と一緒に授業が受けられる「市民開放講座」を設けており、いずれ周辺地域の市民のカルチャーセンターとしての役割も果たしていきたい。

 −どんな学生に来てもらい、将来、どんな活躍を期待するか。

 東北地方南部も含め、北関東一円の学生に来てほしい。一見、おとなしそうに見えるが、じっくり型で芯の強い学生が集まっている。

 公務員も良いし、企業で活躍したり、起業したりするのもいい。地域経済にじっくり根を下ろし、地域に貢献する人材を育てたい。

 カモメの持っている底力、タフさを養い羽ばたいてほしい。

 (聞き手・宇都宮支局長 蒲敏哉)

<おくしま・たかやす> 愛媛県日吉村(現鬼北町)生まれ。早稲田大第一法学部卒。同大第14代総長。同大ラグビー部長、探検部長、日本私立大学連盟会長、日本高校野球連盟(高野連)会長などを歴任。ボーイスカウト日本連盟理事長、2013年から白鴎大学長。79歳。

<白鴎大(はくおうだい)> 1986年創設。15年、新聞記者の上岡長四郎が足利市に足利裁縫女学校を開いたのが起源。小山市に経営、法、教育の3学部と幼稚園、足利市に白鴎大足利中学校・高校がある。教職員数約200人、学生数約5000人。飯原誉士(やすし)選手=元ヤクルト、現栃木ゴールデンブレーブス=ら多くのプロ野球選手を輩出している。 

 

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